ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は9日の記者会見で、2016年に約3兆3千億円で買収した英半導体設計アーム・ホールディングスを再上場させる考えを明らかにした。孫氏は「5年後、7年後にもういちど上場させる。再上場のときには生まれ変わったほどに高収益の会社になる。そのための先行投資をしている」と述べた。
アームはスマホ向け半導体設計で世界の9割以上のシェアを持つ。
一方、傘下の米携帯4位スプリントと同3位のTモバイルUSが合併で合意したことについて「4位のままでいるよりも、合併によって上位2社と規模的にほぼ並ぶ。米国で1位になれる可能性も戦略的に見えてくる」と述べた。ベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tの米2強と競う考えを示した。
4月に合意したスプリントとTモバイルの合併について孫氏が語るのは初めて。孫氏は「(両社を)同時に買収したいということで動いていたが、当時は米政府が認めず一時断念した。交渉の途中で破談もあったが三度目の正直で合併の合意を得た」と振り返った。同社は傘下に投資先の会社を抱えて企業群として進化する「群戦略」を掲げており、合併が重要な意味を持つとも指摘した。
スプリントとTモバイルの合併については連結の有利子負債が減ることをメリットに挙げ、「13兆円の借り入れが9.8兆円に減る」と述べた。赤字経営が続いたスプリントが高い金利で借り入れをしていることにも触れ、「合併後はグループ全体の金利負担は半減する」と強調した。
スプリントとTモバイルは4月29日、合併で合意した。米当局の認可が出れば2019年前半にも合併手続きを完了させる。
両社の合併を巡ってはソフトバンクとTモバイルの親会社のドイツテレコムが2013年から断続的に交渉してきた。17年11月にはお互いが経営の主導権を主張して破談になったが、半年後、ソフトバンク側が主導権を譲ることで交渉は決着した。
ソフトバンクが主導権を譲った背景にあるのが、米国での5G投資の競争の激化だ。5Gの商用化を控えてベライゾンなどの2強は投資を先行させており、単独で生き残るのは難しいと判断したとみられる。合併の可否について当局の判断も焦点となるなかで孫氏は、「競争が高まって米国民にはプラス」とした。
新会社のTモバイルは、5G対応などで3年で400億ドル(約4兆3600億円)を投資する。合併によるネットワークの効率化などで、年60億ドルのコスト削減を見込む。
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