2017年11月7日火曜日

米半導体ブロードコム、クアルコムに12兆円買収提案

 【シリコンバレー=佐藤浩実】米半導体大手のブロードコムは6日、同業のクアルコムに買収を提案したと発表した。買収額は1050億ドル(約12兆円)の見込みで、半導体業界のM&A(合併・買収)で過去最大となる。負債の引き受けも含めた総額は1300億ドル。買収が実現すれば通信分野の半導体で他社を圧倒する企業が誕生し、世界のIT(情報技術)産業での影響力が強まりそうだ。

 ブロードコムはクアルコムの株主に対し1株70ドルで買い付けを提案する。現金で60ドル、ブロードコム株で10ドルを支払う。2日のクアルコムの株価(終値)に28%上乗せした。買収が成立すれば米インテル、韓国サムスン電子に次ぐ世界3位の半導体メーカーとなる。

 ブロードコムはWi―Fiや大容量通信に使う半導体の大手で、スマートフォン(スマホ)やデータセンター向けに納入している。クアルコムはスマホの通信用半導体の最大手で、車載半導体大手のNXPセミコンダクターズの買収手続きも進めている。ブロードコムによると、クアルコム買収後の売上高はNXPセミコンダクターズも含め年510億ドルになる。

 ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は声明で、「製品、技術面で世界の通信分野のリーダーになる」と強調した。米アップルや韓国サムスン電子などスマホメーカーへの交渉力も強まりそうだ。

 クアルコムは6日、「財務や法律のアドバイザーと相談しながら取締役会が(ブロードコムの)提案を査定する。株主にとり最善の利益になるよう行動する」との声明を出した。買収の成立には各国・地域で独占禁止法の審査も必要になる。

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