2017年11月3日金曜日

トランプ米大統領:次期FRB議長にパウエル理事を指名へ

トランプ米大統領は2日、連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長にパウエルFRB理事(64)を指名すると発表した。パウエル氏について、優れた判断力ならびに高い知性でFRB当局者や議員の尊敬を得ていると称賛した。

  トランプ大統領はホワイトハウスのローズガーデンで、「ジェイ(パウエル氏)は民間部門での豊富な経験と実社会の観点を政府にもたらす」とし、「つまり彼は米経済の成長に必要不可欠なことを理解しており、またこれも同様に重要なことだが、真の意味で米国民に成功をもたらすものは何かを理解している」と述べた。

  トランプ大統領は、緩やかなペースでの利上げ継続を支持するとともに、金融規制の緩和を目指すホワイトハウスに理解を示す人物を次期議長に起用したことになる。パウエル氏はプライベートエクイティ(PE、未公開株)会社で幹部を務めた経験も持つ。

  上院で指名が承認されればパウエル氏は、2015年12月を皮切りに政策金利をこれまでに4回引き上げ、4兆5000億ドル(約510兆円)に上るバランスシートの縮小に着手したばかりのイエレン現議長からバトンを引き継ぐ。トランプ大統領はここ数カ月、イエレン現議長を繰り返し称賛し、1日には「優秀」だと評価したが、再指名することはなかった。イエレン議長の4年間にわたる任期は来年2月に終了する。

  トランプ大統領はイエレン議長について、「素晴らしい女性で、優れた仕事をした」と評価した。

  トランプ大統領は金利を低水準で維持するイエレン議長の取り組みを支持しており、パウエル氏起用はそれを反映している。パウエル氏はチームプレーヤーと広く認識されており、イエレン議長の下での金融当局の規制や政策措置に対して懸念を抱いても表に出してこなかった。

  トランプ大統領は米経済が完全雇用に近い状態にあり、株式相場はここ数カ月に最高値を更新していると繰り返し指摘している。大統領は速いペースでの利上げを望む考えは示していない。

  パウエル氏はブッシュ(父)政権では財務次官(国内金融担当)を務めた経歴もある。その後、PE会社カーライル・グループでマネジングディレクターを務め、12年にオバマ前大統領からFRB理事に指名された。

  パウエル理事は、物価安定と雇用の最大化という金融当局の2大責務達成に「全力を尽くす」と表明した。

  また金融危機以降に「米経済は完全回復に向けて大きく進展した」と述べ、イエレン議長とバーナンキ前議長の功績をたたえた。

  選考プロセスに詳しい複数の当局者によれば、トランプ大統領は低金利維持を支持する一方で金融規制の緩和を求めており、そのアジェンダを支持する金融当局者を選ぶようアドバイザーらから強く勧められたという。

原題:Trump Says He’ll Nominate Jerome Powell to Lead Federal Reserve(抜粋)

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