全米で毎月平均3万台、つまり毎日1000台も販売されている。カムリはバニラアイスクリームだ。平凡かも知れないけど、市場はバニラが好きなのだ。どうしてわざわざ他の味を投入する意味があるだろう。「それが合っているなら、手放すな」という諺だってある。皮肉ではないんだ。
実は、同車の開発主査の勝又正人も「カムリは食パンだ」と言う。「特にアメリカではね。毎日食べても大丈夫、決して失望することがないのが、食パンです」
ところが、トヨタは新しい道を行くことに決めた。食パンの材料を変えてみようと。勝又によれば、SUVの人気急上昇の影響でセダンの販売台数が年々、少しずつ落ち気味だと言う。セダンであるカムリの寿命を延ばすために、思い切ってデザインを一新する必要があった。
数年前、豊田彰男社長はトヨタの高級ブランド、レクサスのみならずトヨタのデザイナーにも、「もう、平凡さはいらない、もっと個性的でスタイリッシュでなくてはならない」と宣言していたのだ。ということで、外観の平凡さを捨てて、こんなに変身したということだ。なるほど。
正直に言って、新型カムリは、かなりカッコいい。従来と比べてよりワイド&ローというプロポーションがよくなっている。…
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