輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は、10月速報で5カ月連続の黒字となった。原油高で輸入額が増加したことで黒字幅は縮小し、市場予想は下回った。財務省が20日発表した。
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背景
好調な世界経済を背景に外需主導の経済成長が続いている。日本銀行が先月公表した経済・物価情勢の展望では、海外経済の成長に伴い「輸出も基調として緩やかな増加を続ける」と予想。2017年度実質国内総生産(GDP)の中央値を前回7月の1.8%増から1.9%増に上方修正した。
内閣府が15日発表した7-9月期GDPは、前期比0.3%増、年率換算1.4%増と7期連続のプラス成長となった。天候不順で個人消費が7期ぶりにマイナスに転じたものの、堅調な輸出や設備投資が下支えした。
エコノミストの見方
- SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは16日付リポートで、輸出は9月にハリケーンの影響で落ち込んでいた米国向けが明確に持ち直すとした上で、「原油価格の上昇もあり、輸入額の増勢が輸出に勝る」ことから貿易黒字は縮小するとみていた。
- 第一生命経済研究所の齋藤麻菜エコノミストは17日付リポートで、「貿易収支は前月から黒字幅が拡大する」と予想。「今後、世界経済の拡大が続く中で、実質輸出は増加を続けることが期待できる」との見通しを示していた。
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