2017年11月4日土曜日

ブロードコムがクアルコム買収模索、9兆円規模か 米報道

 【シリコンバレー=佐藤浩実】半導体大手のブロードコムが同業クアルコムの買収を検討していることがわかった。複数の米メディアが3日、関係者の話として報じた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によると、今週末にも交渉入りする。クアルコムの時価総額は810億ドル(2日終値、約9兆2000億円)にのぼり、実現すれば半導体業界で最大の買収となる。

 クアルコムの広報担当者は3日、日本経済新聞の取材に対し「コメントできない」とした。ブロードコムからは返答を得られていない。

 ブロードコムは米HPの半導体部門が独立したアバゴ・テクノロジーが2015年に旧ブロードコムを370億ドルで買収して発足。登記上の本社はシンガポールだが、2日にはホック・タン最高経営責任者(CEO)がトランプ米大統領とともに会見して米国に戻すことを発表したばかり。2016年10月期通期の売上高は132億ドルで、Wi―Fi通信に使う半導体などを手がけている。

 クアルコムはスマートフォン向け通信用半導体の最大手で、17年9月期通期の売上高は223億ドル。スマホ市場の成熟をにらみ、車載半導体大手NXPセミコンダクター(オランダ)の買収手続きを進めている。調査会社ICインサイツによると、16年の半導体メーカーの売上高ランキングでクアルコムは世界4位、ブロードコムが5位。

 半導体業界では巨額の研究開発費を捻出したり事業領域を拡大したりするため、1兆円を上回る規模の買収が相次いでいる。自動運転やあらゆるモノがネットにつながるIoTの中核技術でもあり、ソフトバンクグループが半導体設計の英アーム・ホールディングスを買収するなど業種を越えた覇権争いも激しい。米アップルやグーグルのような従来の顧客企業が自ら半導体開発に乗り出す例も増えている。

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