2017年11月7日火曜日

ドル・円が一時3月来高値、仲値需要や米大統領発言受けた安心感で

東京外国為替市場のドル・円相場は一時1ドル=114円台後半まで上昇し、3月以来の高値を付けた。仲値でのドル需要に加え、日本銀行の黒田東彦総裁の発言や来日中のトランプ米大統領の貿易を巡る発言も安心感につながり、ドル買い・円売りが優勢となった。

  6日午後4時18分現在のドル・円は前週末比0.3%高の114円39銭。早朝に付けた113円95銭から仲値公表にかけて一時114円73銭と3月15日以来の水準までドル高・円安が進んだ。その後は上昇して始まった日本株が伸び悩んだのに連れて、114円台前半に値を切り下げた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替市場課の池島俊太郎課長は、ドル・円について、「仲値にドル不足感があった中で、黒田総裁はいつものトーン。ただ、低金利が続くということで、ストップロスをやりやすかったというのはありそう」と指摘。トランプ大統領発言に関しては、「自由貿易協定(FTA)への警戒が上値を抑えてきただけに、きょうの発言は一般的でそこまで厳しいトーンでもない。そういう警戒の解消も買い安心感につながったのではないか」と述べた。

  黒田日銀総裁は6日午前、名古屋市内で講演し、2%の物価目標実現までには「なお距離がある」と指摘。現在の枠組みの下で「強力な金融緩和を粘り強く進めていく方針」と語った。午後の会見では、「現在の政策を継続することで物価目標を達成できる」との考えを示した。

  一方、トランプ米大統領は6日午前、都内での財界トップとの会合で、「米国の日本との貿易は現在、公平で開かれたものではない」と発言。日本が貿易で不公平な優位に立っているとした。大統領は日本市場で米国車の売れ行きが悪いことに言及し、日本が米国を不当に扱っていると述べ、日本の自動車メーカーが米国での生産を増やすよう求めた。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、「トランプ大統領の貿易を巡る発言後も円買いにならず。見なし五・十日の買いの思惑もあったのではないか。黒田総裁発言も目新しくはないが緩和姿勢が変わらないと市場は見ただろう」と解説した。

  トランプ大統領と安倍晋三首相は6日午後、首脳会談後に共同記者会見を実施。安倍首相は、「日米同盟の揺るぎない絆を世界に向かって示すことできた。日米首脳は2国間の貿易投資活性化議論で一致した。北朝鮮に対して取るべき政策についても完全に見解が一致した」と述べた。

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