2017年11月22日水曜日

KDDI、英会話のイーオンHD買収 数百億円 教育市場に参入

 KDDIは22日、英会話教室などを運営するイーオンホールディングス(HD、岡山市)を買収すると発表した。買収額は非公表だが、数百億円規模とみられる。教育市場に参入する。主力の通信事業の成長が鈍化するなか、エネルギーなどの非通信分野に注力しており、教育でも通信やネットの技術を融合させた最先端のサービスを提供できるかが課題となる。

 2018年1月をめどにイーオンHDの全株式を取得し子会社化する。KDDIは買収の狙いを「外国語の教育分野は今後も成長が見込め、通信事業との相乗効果も高い」としている。

 買収後は両社の強みを結集して、人工知能(AI)を活用して学習者に最適化したカリキュラムの作成や、仮想現実(VR)を使った英会話サービスの提供を検討する。

 イーオンHDは傘下に、全国約250の英会話教室を展開する業界2位のイーオン(東京・新宿)のほか、子供向け英会話教室運営のアミティー(岡山市)などを持つ。グループ全体の顧客数は約11万にのぼる。

 KDDIは16年度から通信事業の顧客基盤を生かし、エネルギーなど幅広い商材を扱い成長をめざす「ライフデザイン戦略」にかじを切っている。16年度からの3カ年で成長分野に5000億円を投資する方針も示しており、今回のイーオンHDの買収もこの一環だ。

 ライバルのソフトバンクグループNTTグループと比べ、KDDIの買収戦略は地味に映る。だが通信との相乗効果が高い分野を中心に投資をしている。8月には、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」向け通信サービスを提供するソラコム(東京・世田谷)を約200億円を投じて子会社化した。

 IT(情報技術)で教育を進化させる「エドテック」が、スマートフォンの普及で日本でも浸透し始めている。対象は教師や生徒、幼児から社会人まで多岐にわたり、市場は国内外で急拡大するもようだ。

 KDDIは強みである情報通信技術を生かし、教育分野で新サービスを創出できるか。実現すれば成長に必須となる非通信分野を底上げできる。

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