2017年11月6日月曜日

緩和不足との片岡氏の意見に反論、副作用懸念=9月日銀会合議事要旨

[東京 6日 ロイター] - 日銀が6日公表した9月開催の金融政策決定会合の議事要旨によると、片岡剛士審議委員とみられる委員が、現状の金融緩和は不十分と指摘したのに対して、委員らが反論。さらなる緩和強化は金融仲介機能などに副作用を及ぼす可能性が高いと主張していたことがわかった。

 11月6日、日銀が公表した9月開催の金融政策決定会合の議事要旨によると、片岡剛士審議委員とみられる委員が、現状の金融緩和は不十分と指摘したのに対して、委員らが反論。さらなる緩和強化は金融仲介機能などに副作用を及ぼす可能性が高いと主張していたことがわかった。写真は都内で6月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

<強力な緩和、金融機関への影響注視=何人かの委員>

同会合では、片岡委員が短期金利をマイナス0.1%、長期金利(10年物利回り)をゼロ%程度にするよう国債を買い入れる現行の「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)」が日銀の予定している2019年度中の2%物価目標達成には不十分との意見を表明したことが公表されている。

議事要旨では、片岡氏とみられる委員が「2019年10月に消費増税が予定されていることも踏まえると、一段の需要拡大が必要」、「現在のイールドカーブは(経済成長を加速・減速させない中立的な)均衡イールドカーブとの比較でみて、十分に緩和的かどうか疑問」と主張した。

これに対して「現在の実質イールドカーブの水準は全ての年限で均衡イールドカーブを大きく下回っている」(ある委員)、「YCCは景気拡大が続き、物価や潜在成長率が高まってくれば緩和効果が一段と強まる仕組みが内在している」(何人かの委員)との反論があった。

何人かの委員は「強力な金融緩和が市場や金融機関に与える影響にも十分注視すべき」、「金融仲介機能が損なわれ、結果的に2%の実現時期が遠ざかる状況は避ける必要がある」との認識を示した。

<YCC、海外金利低下局面で円高招くとの指摘について議論>

このほか委員らは、YCCは米欧金利の低下局面で内外金利差縮小から円高を招きやすいとの一部の指摘についても議論した。1人の委員は「長期金利がマイナスになることを排除しているわけでない」と述べた。一方、別の委員が長期金利目標は「海外金利動向に応じて、機械的に目標を動かすものではない」との認識を示した。さらに複数の委員が、地政学リスクなどによる円高で物価上昇の勢いが維持できない場合は「必要に応じて調節方針を変更することになる」として、YCCそのものに問題はなく、「柔軟な対応を可能とする」と擁護した。

竹本能文

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