東海地方の鉄道、夜間の運転見合わせ 台風１２号接近で

　台風１２号の接近に備え、東海地方では２８日、鉄道が夜間の運転を見合わせたほか、百貨店は閉店時間を早めるなどの対応に追われた。西日本豪雨で被害が出た岐阜県関市は避難準備情報を発表し、住民らに注意を呼び掛けた。

　ＪＲ東海は午後９時ごろまでをめどに在来線全線の運転を見合わせた。２９日も在来線全線で始発から運転を見合わせ、安全確認後に順次運行を始める。名古屋鉄道も午後６時ごろから運行本数を減らし、午後９時ごろをめどに全線で運転を見合わせた。

　静岡県袋井市の会社員鈴木美帆さん（３６）は大阪旅行の帰りで、高速バスからＪＲ名古屋駅で在来線に乗り換えようとしたが、足止めとなった。「夫に迎えに来てもらうか、名古屋でホテルを探すか。明日は午前１０時から仕事で、明日もＪＲが動いてなかったらどうしよう」と話した。

　「岡崎行きの電車がないと言われて」。名古屋市の名鉄金山駅の改札前では愛知県岡崎市のエステ店従業員長島陽菜さん（２１）が困った様子で立っていた。予約のキャンセルが相次ぎ、上司の計らいで１時間以上早く店を早退していた。「本数が減っているとは聞いていたけどどうしよう」。結局、知人が迎えに来てくれることになったという。

　空の便も大きく乱れ、２８日午後９時現在、中部空港を発着する６３便が欠航した。２９日も２３便の欠航がすでに決まっている。また、愛知県営名古屋空港では２８日発着の１３便が欠航した。

　名古屋市にある百貨店のＪＲ名古屋高島屋と松坂屋名古屋店、名古屋三越栄店は、通常の営業終了時間よりも１～２時間早い午後６時半までにいずれも店を閉めた。

　西日本豪雨で川が氾濫し、１人が死亡した関市は２８日午後６時、市内全域に高齢者らが避難を始める目安の「避難準備・高齢者等避難開始」を発表し、防災無線や「関市あんしんメール」で市民に注意を呼び掛けた。

　市災害対策本部によると、市内２８カ所の小中学校のほか、富野ふれあいセンター、武儀事務所、上之保生涯学習センターを避難場所として開放した。

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