2018年7月31日火曜日

TOPIXが続落、日銀は金融緩和を継続-銀行や輸出一角安い

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31日の東京株式市場ではTOPIXが続落。日本銀行による金融政策決定会合を受けて、収益改善期待が後退した銀行株が大きく売られた。輸送用機器や機械など輸出関連株の一角も安い。

  TOPIXの終値は前日比14.86ポイント(0.8%)安の1753.29と続落、日経平均株価は同8円88銭(0.04%)高の2万2553円72銭で小反発した。

東証外観

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジストは、「日銀の政策決定は一定の長期金利上昇やETFの銘柄別買い入れ額の見直しなどほぼ観測通りの内容だった。材料出尽くしから相場上昇につながりにくかった」と指摘。銀行株は「マイナス金利による収益への影響を緩和するとの思惑がはげた上、マーケットが仕掛けすぎた反動から下げがきつくなった」と言う。

  日銀が午後に発表した金融政策は、長期金利(10年物国債金利)は「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)は「マイナス0.1%」の誘導目標で変更はなかったが、長期金利の柔軟化を容認。上場投資信託(ETF)の買い入れは銘柄配分を見直し、日経平均連動型を減らしてTOPIX連動型を増やすことを決めた。

日銀会合についてはこちらをご覧ください

  きょうの日本株は、30日の米国株市場でハイテク株が大幅に下落したことを受けて電機などを中心に下落して始まった。午後1時過ぎに日銀が金融政策の当面の運営方針を発表すると、両指数ともプラス圏に浮上。大和総研経済調査部の小林俊介エコノミストは、「金融政策として利上げ的でなかったことから円高懸念が後退、短期的に日経平均にプラス」と話した。

  その後は日経平均は前日終値を挟んで上下し、銀行ウエートが高いTOPIXはマイナス圏で推移した。みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は「長期金利目標に一定の変動を持たせたことで緩和の副作用を軽減する姿勢はうかがえたが、極めて低い長短金利の水準を維持するため、緩和的対応を粘り強く行っていく姿勢に変わりはない。長期金利の上昇は見込めず、銀行の収益改善といった期待も高まりにくい」とみている。

  東証33業種はその他金融、銀行、電気・ガス、パルプ・紙、卸売、保険、輸送用機器など25業種が下落、上昇は海運、ゴム製品、鉱業など8業種。

  売買代金上位では、マイナス金利環境の継続で三菱UFJフィナンシャル・グループなど3メガ銀グループが下落。ゴールドマン・サックス証券が想定以下の減益決算と指摘した日本M&Aセンターは急落、半面、第1四半期営業利益が市場予想を上回ったオリエンタルランドとTDKは高い。

  • 東証1部の売買高は前日比36%増の19億7243万株、売買代金は同43%増の3兆2636億円で6月15日以来の3兆円超え
  • 値上がり銘柄数は613、値下がりは1436

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Read Again https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-30/PCPAU76K50XV01

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