日本銀行は30日、指定した利回りで金額に制限を設けずに国債を買い入れる「指し値オペ」を実施した。今月は23日、27日に続く三度目となる。固定利回りを前回から据え置き、市場実勢水準より低く設定して足元の金利上昇圧力を抑える姿勢を示した。
日銀が午後2時に通知した金融調節によると、指し値オペの対象は、残存期間5年超10年以下の長期国債。買い入れる固定金利は新発10年国債利回りで0.10%と、これまでの0.11%から初めて引き下げられた27日のオペから据え置かれた。落札額は1兆6403億円と、前回の940億円から急増し、これまでで最も大きな額となった。
みずほ証券の稲垣真太郎マーケットアナリストは、日銀が市場実勢の長期金利0.11%を下回る0.10%で指し値オペを通知したことについて、「もし前々回までの0.11%に戻したら市場の思惑を呼びかねないと判断したのではないか」と分析。また、「前々回までの4回は全て0.11%だったが、前回27日との整合性を重視した形。それ以上の特段の意図はないのではないか」と述べた。
今回初めて2営業日連続で同オペが発動された背景について、野村証券の中島武信クオンツ・ストラテジストは、日銀政策公表日は実施できなくはないが、極めてやりにくいためだと指摘。「午前の指し値オペは審議の最中に実施することになり、政策の先出し感が強くなり過ぎる。また、午後の同オペの結果公表時刻は、黒田総裁記者会見の真っ最中となる」と説明した。
指し値オペ結果はこちらをご覧下さい。
日銀が30、31両日に開く金融政策決定会合について、ブルームバーグが17-20日にエコノミスト44人を対象とした調査では全員が現状維持を予想。一方、日銀内では副作用の累積への懸念が強まっており、副作用軽減の必要性に関する議論が徐々に活発化してくるとの見方が出ている。
みずほ証の稲垣氏は、今回の日銀決定について、「声明文に変更なしがメインシナリオ。黒田東彦総裁が記者会見で国債買い入れオペの柔軟化を示唆する可能性はあり、示唆すれば来月以降により高い長期金利を容認する可能性はある。もし言及がなければ、今まで通りのレンジが続くだろう」とみている。
(第3、4、6段落を追加して更新します.)
Read Again https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-30/PCNJRQ6TTDS001
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