2018年7月31日火曜日

プルトニウム削減に電力業界は対応苦慮 プルサーマル導入停滞

 国の原子力委員会がプルトニウム保有量の削減に向け、新たな指針を決めたことで、電力業界も削減努力を迫られる。現状では、プルトニウムとウランを混合して作った「MOX燃料」を原発で再び使う「プルサーマル発電」を削減の柱とするが、導入は停滞している。また、取り沙汰されている電力会社間でのプルトニウムの融通にも課題があり、対応に苦慮しそうだ。

 電力業界は全国の原発で16~18基のプルサーマル発電の導入を目指すが、ペースは大幅に遅れている。東京電力福島第1原発事故の経験を踏まえて策定した新規制基準のもとで再稼働した原発は全国で5原発9基だが、このうちプルサーマル発電の原子炉は関西、四国、九州の各電力の4基にとどまる。その一つの四国電力伊方原発3号機(愛媛県)は昨年12月の広島高裁の仮処分決定で現在は運転が差し止められている。

 また指針では、電力会社間の連携や協力を促すことでプルトニウムの着実な削減に取り組むとした。具体的な手法には触れていないが、再稼働が遅れている電力会社のプルトニウムを他電力に融通することが一例として想定され、原子力委の岡芳明委員長は31日の記者会見で「一つの有効な方法だと思う」と述べた。

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