2018年9月30日日曜日

関空・神戸 高潮に厳戒 台風再び、鉄道は早々に運転中止

9月上旬の台風21号から1カ月もたたないうちに、近畿地方に再び上陸した台風24号。前回と同様に記録的な高潮が見込まれる関西国際空港や神戸市の沿岸部では30日午前から、空港会社や自治体が対策に追われた。鉄道各社も早期の運転中止に踏み切って利用客に予告するなど、各地で厳戒態勢がとられた。

台風24号の影響で滑走路が閉鎖され、閑散とした関西空港(30日午後)=共同

関空を運営する関西エアポートは29日に予告した通り、30日午前11時に2本の滑走路を閉鎖。午後3時には関空と対岸を結ぶ連絡橋も封鎖された。前日時点で滑走路閉鎖を決めたことで、関空内のホテルやターミナルに残った利用客は30日午後4時時点で約700人にとどまった。

利用客らはターミナル内のロビーに置かれたソファで横になったり、スマートフォンで情報収集するなどして過ごした。

台風21号では史上最高の高潮で滑走路が冠水し、ターミナルにも浸水。24号への備えとして、同社は滑走路などに土のうを積む対策を実施。作業に追われた空港職員の男性は「前回は空港施設への浸水で大きな被害が出た。対策で被害を食い止められれば良いが」と疲れた様子で話した。

台風21号で民家300棟が浸水した兵庫県芦屋市では、県が28日から市内2地区の沿岸部に大型土のうを125個並べた。市は30日までに周辺の住宅に小型の土のう約1万個を配布。臨時の駐車場も設置して、浸水の恐れがある民家の住民らが車を避難させた。市の担当者は「被害を繰り返さないため、早めに手を打った」と力を込める。

21号による高潮で40個超のコンテナが流出した神戸港の人工島、六甲アイランド(神戸市)。国や兵庫県はコンテナを固定するなど対策を強化するよう島内に倉庫を持つ物流会社などに通知した。

JR西日本は30日午前から順次、山陽新幹線の新大阪―広島駅間や京阪神地区の在来全線で計画運休を実施。JR大阪駅の女性駅員は「台風21号の時より問い合わせは少ない。計画運休が浸透したのでは」と話す。

台風21号で計画運休を初めて行った京阪電気鉄道や南海電気鉄道も同様の対応をとり、いずれも午後3時ごろまでに全線で運転を取りやめた。

阪急電鉄は30日正午ごろ、午後3時ごろまでに全線で運転を取りやめると発表。阪神電気鉄道や近畿日本鉄道も約1~3時間前には全線での運転中止を予告した。

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