[東京 28日 ロイター] - 日経平均.N225が、バブル後高値を更新した。1991年11月以来、26年10カ月ぶりとなる2万4200円台を付けている。世界的な株高の流れに乗った形だが、年初来高値を更新してきたドル/円JPY=EBSの後押しもあり、輸出企業を中心に業績拡大期待が高まっている。ただ、割高感がある米株の調整には警戒感も強い。
日経平均が更新した高値2万4129円34銭を付けた1月23日時点で、予想PER(株価収益率)は15.8倍だった。だが、現在は14倍割れ。日経平均の予想EPS(1株利益)は、9月27日時点で約1733円。1月23日時点と比べると207円上昇している。
貿易摩擦による業績圧迫懸念は根強いものの、少なくとも9月中間期の企業業績は期初の予想を上回る結果となるとみられており、通期予想の上方修正への期待感も強い。
三井住友アセットマネジメントによると、同社が調査対象とする主要227社の2019年3月期業績見通しは、経常利益で前年比プラス11.1%の40.7兆円(9月10日時点)。
6月の前回調査時点のプラス10.0%から上方修正した。前提為替レートを1ドル108円から110円に見直したほか、企業ごとの収益状況などを更新し、予想値に反映させた。ドル/円が5円変動した場合、経常利益は8600億円増減するとしている。
一方、企業側の経常利益予想の合計は、プラス4.8%と保守的な数字。足元のドル/円は年初来高値を超えて113円台に上昇しており、さらなる上積みが期待されている。
ニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏は「貿易摩擦の影響を受けて日本企業の業績予想は慎重なものとなっていたが、貿易摩擦についてワーストシナリオはなさそうだ。EPSはさらに上昇する余地がある。年内に2万5000円に到達するとみていい」と話す。
ただ、日本株だけが企業業績対比で割安と言うわけではない。ドイツやフランスなどの主要株価のバリュエーションは、日本株とそう変わらない。米株だけが突出しているのが現状だ。
JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、重見吉徳氏は「確かに米景気は良いが、ピークアウト感も出てきた。割高な米株の調整には警戒すべきだろう」と指摘する。
割高な米株を避けたマネーが消去法的に日本株に流れてきている構図が変化するかもしれないという。
長田善行 編集:伊賀大記
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