非常に強い台風24号は30日、九州南部や四国の沖を北東へ進み、午後8時ごろ、和歌山県田辺市付近に上陸した。列島を縦断し、10月1日未明には温帯低気圧に変わって北海道の南の海上に抜ける見通し。台風の接近に備え、東海道、山陽新幹線が計画運休し、首都圏のJR在来線も全線で運休、関西国際空港は滑走路を閉鎖するなど、各地の交通は大きく乱れた。
台風21号の影響で滑走路が浸水した関空では、台風24号の接近を見込み、30日午前11時に滑走路を閉鎖した。各地の空港を発着する空の便で欠航が相次ぎ、午後4時時点で国内線では日本航空計351便、全日空計439便などが欠航した。
JR東海は29日に予告した通り、30日午前から東海道新幹線の運行を減らし、午後5時以降は全線で運休。JR西日本も山陽新幹線の新大阪―広島間で同日午後1時以降、のぞみの運転を取りやめるなどした。
JR東日本は30日午後8時以降、首都圏の在来線全線を順次運休。東北、山形、上越、北陸の各新幹線も夜間の本数を間引くなどした。10月1日の首都圏の在来線については、一部区間を除き始発からほぼ通常通り運転するとした。
高島屋や三越伊勢丹ホールディングス(HD)、大丸松坂屋百貨店は、関西圏の店舗を中心に臨時休業したほか、首都圏などの店舗でも閉店時間を早めた。SGHD傘下の佐川急便は30日、東海・北陸以西の全域で集荷や配達を取りやめ、午後6時からは関東甲信越でも集配を中止した。アマゾンジャパン(東京・目黒)は関西・中国地方の5カ所の物流施設の稼働を停止した。
気象庁によると、台風などの影響で、10月1日にかけて西日本から北日本では雷を伴う大雨となる見通し。同庁は土砂災害や河川の氾濫、高潮などへの厳重な警戒を呼びかけた。
気象庁によると、台風24号は午後6時現在、高知・室戸岬の東北東約30キロを時速約50キロで北東へ進んでいる。中心の気圧は950ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は60メートルで、中心の南側190キロ以内と北側150キロ以内が風速25メートル以上の暴風域。
1日午後6時までの24時間に予想される雨量はいずれも多いところで、関東甲信、東海、近畿が300ミリ、北陸250ミリ、四国200ミリ、東北180ミリ、北海道、中国150ミリ。
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