日産自動車は26日、完成車検査の不正に関する調査の報告書を公表した。これまでに明らかになっていた排ガス・燃費の測定試験で国の基準を守らなかった事例に加え、他の検査工程でも検査の未実施やデータ書き換えなどの不正が複数見つかった。ただ、出荷した車の品質は確認できたとしている。新たな不正の発覚を受けて、同社は2017年から取り組む不正の再発防止策を見直す。
不正は完成検査で一部の車を抜き出して調べる「抜き取り検査」の工程で見つかった。今回は排ガス・燃費の測定試験に加えて、新たに装置や車の性能を調べる「精密車両測定検査」で測定値の書き換えや検査の未実施が見つかった。
試験に必要なブレーキ液の残量警告灯の機能を確認する試験が未実施だった。また、車外騒音や最大安定傾斜角度の確認も一部の車両で行っていなかった。車の全幅や警音器の音量など8項目で測定値や試験条件の書き換えが見つかった。
7月に公表していた排ガス・燃費測定の試験における数値の書き換えについては、同月の公表値から34台多い1205台で不適切な検査が行われたと修正した。
日産では現在生産する車を使って正しい方法で試験を再実施するなどして、車両が国の保安基準を満たすと確認できたとしている。
報告書では不正が相次いだ要因を「規範意識の鈍麻」や「人員不足」など10項目を指摘した。日産では新たに不正が発覚した工程への対策も加えて、再発防止策を強化する方針だ。
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