【NQNニューヨーク=滝口朋史】24日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、前週末の終値に比べ20銭円安・ドル高の1ドル=112円75~85銭で終えた。ユーロに対して円が大きく売られ、対ドルでも円売りが優勢になった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を26日に控え様子見姿勢も強く、円の下値は限定的だった。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が24日、欧州議会で「足元の経済指標はECBの中期的な物価見通しを正当化している」と発言。労働需給の引き締まりを念頭に「基調的なインフレ率は今後数カ月にわたって上昇する」と物価の先行きに強気の姿勢を示した。ECBが金融政策の正常化を進めるとの見方から、幅広い通貨に対してユーロが買われた。
ドラギ総裁の発言を受け欧州の債券市場でドイツなど主要国の国債利回りが上昇(価格は下落)し、米国債にも売りが波及した。日米金利差が拡大するとの観測も円売り・ドル買いを誘った。円は112円84銭まで売られる場面があった。
円は一時下げ渋った。複数の米メディアがローゼンスタイン司法副長官がホワイトハウス関係者に辞意を伝えたと報じた。トランプ米大統領周辺とロシアの関係を巡る疑惑を捜査するモラー特別検察官を監督するローゼンスタイン氏が辞任すれば、政治的な不透明感が増すとの見方が円買い・ドル売りにつながった。
FOMCの結果発表を控え、持ち高を一方向に傾けにくいことも円売りの勢いを弱めた。FOMCでは今年3回目の利上げが確実視されているが、会合後に公表される各委員の政策金利見通し(ドットチャート)やパウエル議長の記者会見で今後の利上げペースなどを見極めたいとの雰囲気が強かった。円の高値は112円43銭だった。
円の対ユーロ相場は反落し、20銭円安・ユーロ高の1ユーロ=132円45~55銭で終えた。ECBによる金融政策の正常化観測を背景に一時は133円台まで円が売られた。その後は目先の利益を確定する目的の円買いが入り、円は下げ渋った。
ユーロは対ドルで小幅に反発し、前週末比0.0005ドルユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.1745~55ドルで終えた。ドラギECB総裁の発言を受けユーロ圏と米国の金利差が縮小するとの観測が広がり一時は1.1815ドルと6月中旬以来ほぼ3カ月ぶりのユーロ高・ドル安水準を付けた。ユーロ買いが一巡すると持ち高調整や利益確定目的のユーロ売り・ドル買いが出て伸び悩んだ。
ユーロの安値は1.1745ドルだった。
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