2017年7月31日月曜日

AMD Radeon Pro SSG に Premiere Proが対応、PCで8Kリアルタイム動画編集を実現

Radeon Pro SSG+Dell 8Kモニター+Adobeソフトで8Kのリアルタイム編集が可能に


AMDは現地時間7月30日から開催中の SIGGRAPH 2017で、最新GPUアーキテクチャ Vega 採用のプロフェッショナル向け(ワークステーション向け)GPU 『Radeon Pro』シリーズ2製品を発表した。

1つは倍精度の浮動小数点演算で12.3TFLOPSの性能を持つRadeon Pro WX9100で、DisplayPort1.4に対応し4Kディスプレイ6枚への出力を可能としている。

 そしてもう1つが、GPUにフラッシュメモリを一体化した Radeon Pro SSGの新製品だ。

AMDが昨年のSIGGRAPHで発表したRadeon Pro SSGは、GPUが演算や描画のためにデータを展開するフレームバッファに、通常のDRAMに加えてフラッシュメモリ(具体的にはNVMe SSD)を搭載する。


Radeon Pro SSG

 DRAMは高速で、GPUがデータをメモリから読み込む待ち時間(レイテンシ)が短く、高速に描画できるというメリットがある。しかし、容量としては多くても16GBほどで、大量のデータを展開したい用途にはあまり向いていない。

そこでDRAMに加えて、比較的低速ながらテラバイト級の容量を持つSSDを搭載することで、例えば8Kビデオのような大容量のデータをメモリに展開して処理したい場合に、より高速に処理できるようにしている。

 AMDが昨年公開した資料によれば、8Kの非圧縮ビデオの処理を行う場合、一般的なビデオカードでは30fps(秒間30コマ)にも届かない17fps程度で、リアルタイム編集には無理がある。対する Radeon Pro SSGの場合には92fpsに達し、リアルタイム編集でもかなり余裕を実現できる。

 今回AMDが発表したのはこのRadeon Pro SSGの新モデルで、GPUがRadeon Pro WX9100と同じVegaベースに強化され、NVMe SSDの容量が1TBから2TBに増量された。SSDの速度は書き込みが最大6GB/秒、読み込みは最大8GB/秒となっている。


Dellの8K/31.5型の液晶ディスプレイ UP3218K、AMD Radeon Pro SSGに、AdobeのPremiere Proを組み合わせることで、8Kのリアルタイム編集がPCで可能になる

 それに加えて、今回は新たにAdobeのCreative Cloudの動画編集ツールであるPremiere Pro CCと、After Effect CCが、Radeon Pro SSGの内蔵SSDを利用するためのSSG APIに対応し、8Kの動画をリアルタイムに編集することができるようになったことが明らかにされた。

 Dellから8K/31.5型の液晶ディスプレイ"UP3218K"が既に日本でも販売されており、それとRadeon Pro SSG、Premiere Pro CC/After Effect CCを組み合わせることで、PCで8Kリアルタイム編集が可能になる。

モニターの価格などを考えると、三桁万円の投資になるが、それでも民生機だけでここまでできるようになったインパクトは大きい。

デル、8K / 31.5型液晶モニタを49万8800円で発売。「実物に匹敵する」表示訴求

 8K動画の編集に取り組んでみたい人はUP3218K、Radeon Pro SSG、Premiere Pro CC/After Effect CCの組み合わせに要注目だ。

このほか AMD は、コンシューマー向けの Vega アーキテクチャ採用製品 Radeon RX Vega 64 / 56 も正式発表している。

AMD Radeon RX Vega 64 / 56詳細発表。GeForce 1080 / 1070超えで同等価格

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