2017年7月31日月曜日

<ホリエモンロケット>通信トラブル…太平洋に落下させる

打ち上げられた小型ロケット「MOMO(モモ)」=北海道大樹町で2017年7月30日午後4時32分、竹内幹撮影(リモートカメラ使用)
毎日新聞

 民間の単独開発ロケットとして国内初の宇宙空間到達を目指していた宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」は30日、本社を置く北海道大樹(たいき)町で小型ロケット「MOMO(モモ)」を打ち上げたが、上昇中に通信トラブルが発生。地上からエンジンを緊急停止させ、太平洋に落下させた。目標の高度100キロ到達は失敗した。

 政府は2030年代に、宇宙産業の市場規模を現在から倍増の2.4兆円規模とさせる方針。今回の挑戦はその実現に向けた試金石と言えた。同社は原因を分析し、再挑戦する方針だ。

 打ち上げは午後4時32分。120秒間エンジンを噴射し、大気圏と宇宙空間の境となる高度100キロを目指した。だが、飛行中に機体が損傷したとみられ、66秒後にロケットからの飛行データの送信が途絶えた。そのままでは位置を把握できないなど危険なため、エンジンを停止させた。機体の到達高度は約20キロで、打ち上げから2分40〜50秒後に約6.5キロ沖の海上に落下した。

 今回、ロケットを利用して通信試験などを行うことにしていた。記者会見した稲川貴大(たかひろ)社長(30)は「データを取るという目的は満足いく結果」と話した。同社創業者で元ライブドア社長の堀江貴文さん(44)は「年内には後継機を打ち上げたい」と述べた。

 今回は当初、29日に打ち上げる予定だったが、濃霧のため延期。30日も電気系統の不調など3件の異常が分かり、打ち上げ時刻を再三延ばした。暗くなる前に会場で落下物を回収したり、近くの帯広空港の飛行機発着時間をさける必要があるため、同日午後5時がタイムリミットで、それが過ぎれば漁業者との調整があるため、次は秋まで延期せざるを得なかった。

 ロケットは全長約10メートル、直径約50センチ、重さ約1トン。飛行中に超高層や大気圏外の各種データを取る「観測ロケット」と呼ばれるタイプだ。燃料に安価なエタノールを使用し、エンジンを自社開発するなどして低コスト化を追求。打ち上げ費用は従来の約10分の1の5000万円以下とした。【酒造唯、野原寛史】

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