景気が本格回復する兆しが出始めた。厚生労働省が28日発表した6月の正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0・02ポイント上昇の1・01倍となった。1倍を超えたのは集計を開始した平成16年11月以来初めて。また、総務省が同日発表した1世帯当たりの消費支出も16カ月ぶりに改善。アベノミクス効果で賃金水準の高い正社員まで雇用改善が広がり、消費拡大に結びつく好循環が生まれつつある。(西村利也)
「雇用情勢、所得環境の改善が続く中で、デフレ脱却に向けた動きが続いているとの認識だ」。石原伸晃経済再生担当相は同日の記者会見で、景気は回復基調だと強調した。
厚労省が発表した求職者1人当たりの求人数を示す有効求人倍率は、パートタイムなどを含む全体で前月比0・02ポイント上昇の1・51倍となり、4カ月連続で改善。ピークだったバブル期の2年7月(1・46倍)を上回る高水準となった。運輸業を中心に人手不足が続いており、「非正規求人から長期で雇用できる正社員の求人に切り替える企業が増えている」(厚労省)。
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