2018年7月1日日曜日

投資用不動産、「買い時・間もなく買い時」58.8% 首都圏のマンション賃料は下落傾向に

 不動産投資に前向きな投資家は多いが、首都圏マンションの平均賃料は下落傾向にあり、物件選びが重要性を増しているようだ。

 野村不動産アーバンネット株式会社は、同社が運営する不動産投資サイトの会員430名(投資物件の保有者350名 非保有者80名)を対象に「不動産投資に関する意識調査(第10回)」を実施し、その結果を6月18日に発表した。調査期間は5月22日から31日。

 投資用物件の買い時感について聞くと、「買い時だと思う」が22.1%、「間もなく買い時が来ると思う」が36.7%で、58.8%の人が買い時感を意識していた。「買い時はしばらく来ないと思う」は41.2%だった。回答理由に関するフリーコメントを見ると、買い時だと思う理由では「オリンピックを控え需要が高まっている」「利回りの良い物件が出始めてきた」、間もなく買い時が来ると思う理由では「価格のピークを打ち徐々に下がってきているから」、買い時はしばらく来ないと思うでは「建物価格が落ちても銀行融資が厳しいため」などがあった。

 不動産投資に対する今後の中長期的な展望を聞くと、「投資用不動産の買い増しを検討したい」が50.6%、「所有物件の買い替え(購入と売却による組み換え)を検討したい」が32.0%で、82.6%の人が投資用不動産の購入を前向きに考えていた。「当面は購入も売却も検討していない」は13.1%、「所有物件の売却を検討したい」は3.4%だった。

 投資用物件の購入を検討する上で重視するポイントを3つまで選んでもらったところ、多い順に「エリア・立地」(81.2%)、「利回り」(57.7%)、「価格」(52.6%)となった。また、購入を検討したい投資用不動産を複数回答で聞くと、多い順に「1棟アパート」(52.6%)、「1棟マンション」(48.8%)、「ワンルーム区分マンション」(26.0%)、「戸建て」(22.6%)となった。

 一方、株式会社マーキュリーは首都圏の賃貸マンションの募集賃料について、2017年10月から2018年3月の6カ月間の平均値を調査し、その結果を6月14日に発表した。対象は駅から徒歩15分以内、築15年以内、管理費や共益費などを含めた賃料が30万円以下の物件。

 東京23区の平均賃料は11万7,116円で前年の11万8,084円を、東京都下の平均賃料は8万5,823円で前年8万6,634円をそれぞれ下回った。また、神奈川県は9万3,473円で前年が9万6,258円、埼玉県は7万7,795円で前年が7万8,399円、千葉県は8万806円で前年が8万1,624円で、首都圏全域で賃料が下落傾向にあった。

 投資用不動産の取得に前向きな投資家は多いものの、首都圏のマンション賃料を見ると、過去6カ月間の平均賃料は下落傾向にあった。不動産投資で成功するには、投資エリアや利回りの見極めが重要な要素になりそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]

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