グローバル市場に挑む足場にしなければならない。出光興産と昭和シェル石油が2019年4月の経営統合で合意した。統合に反対してきた、出光の大株主である創業家の賛同を得た。
15年の基本合意から約3年かかったが、出光と昭和シェルの統合により、石油元売りはJXTGホールディングスとの2強体制へと集約される。事業の合理化を進め、新しい収益源を育てるきっかけにしていくことが重要だ。
人口減少や自動車の燃費改善により、ガソリンや軽油など石油製品の需要は減っている。全国の給油所数は1994年度のピーク時に比べて半数近くに減少した。15年度までの4年間で7%減ったガソリン販売量は、21年度までにさらに1割程度減る見通しだ。
製油所の設備過剰への対処を含め、業界の再編・集約は待ったなしの段階にある。出光と昭和シェルの決断は日本の石油産業が避けて通れない道だといえる。
国内の石油市場が縮小する一方で、アジアを中心とする新興国の需要は大きく伸びている。中国や東南アジア諸国では、巨大な処理能力を持つ新鋭製油所が次々と完成し、サウジアラビアなどの中東産油国も成長市場の取り込みへ大型投資を競っている。
日本の石油会社もこの競争に加わる必要がある。問題は鉄鋼や化学の業界と比べ、日本の石油業界が国際化で遅れていることだ。再編で先行し、世界で戦う体制を整えた鉄鋼メーカーや、高機能製品へのシフトなど事業の選別を進めた化学会社と比べ、石油会社の動きは鈍いといわざるを得ない。
出光の創業家は昭和シェルとの企業文化の違いなどを理由に統合に反対してきた。理解を得るために時間がかかったが、出光の月岡隆会長は記者会見で「必要な時間だった。あとは2社で前に向かって進む」と語った。
昭和シェルの亀岡剛社長は「アジアで屈指の競争力を持つリーディングカンパニーとなる」と述べた。その決意に期待したい。
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