ドナルド・トランプ米大統領は19日、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げをやめることを望む、との考えを示した。米国の大統領がFRBに注文をつけるのは異例の事態。
トランプ氏は同日のCNBCテレビとのインタビューで「それ(利上げ)はうれしくない」と語った。
FRBは今年に入り、3月と6月の2度にわたり利上げを実施。政策金利の誘導目標を1.75〜2.00%に引き上げた。さらに年内に2回の追加利上げを想定している。2月にFRB議長に就いたジェローム・パウエル氏は、トランプ氏が昨年11月に指名している。
中銀当局者は長年、FRBは政治的圧力から無縁であるべきだと主張してきた。1993年には当時のクリントン政権の高官が、FRBの判断に表立って異議を唱えないという規則をホワイトハウス内で定めた。このルールは続くジョージ・W・ブッシュ政権とバラク・オバマ政権でもおおむね継承された。
だがトランプ氏はこの日のインタビューで、金融政策について発言して暗黙の決まりを破ることなど「全く構わない」と語った。パウエル議長については「好人物」だと話した。
ジョンソン政権がウィリアム・マクチェスニーFRB議長に、ニクソン政権がアーサー・バーンズFRB議長に、それぞれ金融緩和政策の採用を迫ったことが1970年代のインフレの要因だとされている。
パウエル議長は指名が確認されてからトランプ氏と言葉を交わしていない。先週にはアメリカ公共メディア(APM)のラジオ番組「マーケットプレース」で、ホワイトハウスからの政治的圧力は心配していないとしたうえで、「われわれにはあらゆる政治的関心から独立して政策を実行してきた長い伝統がある。FRBは詳細な分析に基づき、厳密に政治色のない方法で作業を行う。それを透明性のある形で記録する」と語った。さらに、この非政治的な姿勢は「FRBのDNAに深く根ざしている」と述べた。
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