日本マイクロソフトが7月11日に発表した、2in1ノートPC「Surface」シリーズの新製品「Surface Go」。10型と小型で、高精細をうたう「PixelSense Display」と4096段階の筆圧検知ペンに対応しながら6万4800円(税別、以下同様)と廉価に抑えた。
ペンが使える10型タブレットの廉価モデルとなると、比較対象に挙がるのがAppleの9.7型「iPad」(第6世代、2018年発売)だ。
明らかになったSurface Goのスペックから、iPadとの違いを比較してみよう。
Officeバンドルにより、Surface Goの日本価格は最低でも7万円弱に
Surface Goの米国価格が399ドルからであったことから、国内で3万7800円で販売しているiPadと価格で争えることが注目されていた。
しかし本日の国内発表で、日本価格は64GBモデルが6万4800円、128GBモデルが8万2800円であることが明らかに。為替の変動リスクや、「Microsoft Office Home & Business 2016」のバンドルが、米国より価格が上昇した理由だという(米国ではOfficeをバンドルしていない)。
iPadは128GBモデルを選んでも4万4800円。iPad Pro 10.5の64GBモデルでも6万9800円なので、Surface Goの日本価格を見るとiPad Pro 10.5も比較対象に挙がってきてしまう。
OSが違うため、できることがそれぞれ異なるのはもちろんだが、それでもせっかくならOfficeのバンドルがない、米国価格に近い設定のモデルも出して価格面でも対抗してほしかったというのが正直な感想だ。
教育機関向けにはOfficeをバンドルしないSurface Goを4万7800円(64GBモデル)で販売するとしているが、あくまで教育機関が導入する際の価格であり、学割のようなものではないという。
軽さ、解像度ではiPadが優秀
スペックについて、まずは外観を見てみよう。Surface Goの本体サイズは245(幅)×175(高さ)×8.3(奥行き)mmで、重量は522g(Wi-Fi版)。一方のiPadは、169.5(幅)×240(高さ)×7.5(奥行き)mmで、重量はWi-Fi版が469g、Wi-Fi+Cellular版が478gだ。
比較すると、Surface Goがシリーズ最薄最軽量といえど、iPadに比べると「やや大きく重い」といったところ。
また、解像度を見るとSurface Goが1800×1200ピクセルで、iPadが2048×1536ピクセル。画素密度はSurface Goが217ppi、iPadが264ppiと、高精細をうたうSurface GoだがiPadほどではないことが分かる。
拡張性ではSurface Goに軍配
一方で、「iPad Pro」で利用できるカバータイプのキーボード「Smart Keyboard」がiPadでは利用できないのに対し、Surface Proは専用のキーボード付きケース「タイプカバー」を用意する。
Surface Goはキーボードの他にBluetoothマウスなども接続できるが、iPadはOS上の制限からBluetoothキーボードは接続できてもマウス接続による操作はできない。
Surface Goは専用のドックステーションとなる「Surface Connect」のポートも用意する。これらの点から、拡張性についてはSurface Goに軍配が上がる。
タイプカバーの重量は約243g。本体と合わせても約765gなので、ノートPCとしてはかなり軽い部類だ。
ちなみに、タイプカバーには通常モデルと、肌触りの良いアルカンターラ素材を用いたシグネチャーモデルがある。通常モデルの色はブラックの1色で、価格は1万1800円。通常モデルのみ日本語配列の他に英字配列モデルも用意する。
シグネチャーモデルはプラチナ、バーガンディー、コバルトブルーの3色を用意。全て日本語配列で、価格は1万5400円。
システム性能は比較不能
Surface Goは、CPUに「Intel Pentium Gold 4415Y」(2コア4スレッド、1.6GHz)、メモリ4GB/8GB、ストレージに64GB(eMMC)/128GB(SSD)といったスペック。
一方のiPadは、CPUに「A10 Fusion」(詳細未公開)、メモリ2GB、ストレージに32GB/128GBを搭載する。
ストレージやメモリの差が数字の上ではあるものの、先に述べたようにOSが異なるため単純な性能比較はできない。
ちなみに、Surface GoのOSは「Windows 10 in S mode」だ。以前は「Windows 10 S」と呼ばれていたもので、Windowsストアでのみアプリの導入が可能なWindows 10の機能限定モードとなる。Sモードの解除に料金は掛からないが、一度解除すると再びSモードには戻せないため注意が必要だ。
余談になるが、従来Sモードは教育市場向けとしていたが、Surface Goに関しては一般向けがSモード、教育機関向けがSモードではないWindows 10 Proと逆転してしまっている。なぜ教育機関向けにSモードを搭載しないのかと日本マイクロソフトの担当者に聞いたところ、「学校では(Sモードでは動かない)デスクトップアプリの需要が大きい」と日本の教育現場の声を明かした。
それぞれ優秀な筆圧検知ペンを使用可
Surface Goでは、4096段階の筆圧検知ができる「Surface ペン」、iPadでは「Apple Pencil」を利用できる。
分かりやすい違いはホバー時のポインタ表示の有無だ。Surface ペンではホバー表示があるが、Apple Pencilでは表示はない。
ペンについて詳しくは、プロイラストレーターのrefeia氏による「Surface Pro」と「iPad Pro 10.5」の比較レビューを参考にしてほしい。
Surface ペンはSurface Proなどで用いているものと同じで、プラチナ、バーガンディー、コバルトブルー、ブラックの4色展開。価格は1万1800円だ。Apple Pencilの価格は1万800円。
いずれのデバイスを利用するにせよ、ペンは別売のため、ペン入力をしたい場合には追加の出費があることに注意しよう。
まとめ Windows機としては軽くて安い 価格や解像度はiPadが優秀
64GBモデルであれば本体とキーボード、ペンを合わせて6万4800+1万1800+1万1800=8万8400円で、税込でも9万5472円と10万円に収まる(キーボードにシグネチャーモデルを選んでも税込で9万9360円)。128GBモデルを選んだ場合は計10万6400円となるため、税込では11万4912円だ。128GBモデルはメモリが8GBとなるため、快適性を考えれば128GBモデルを選びたいところだが、予算との相談になるだろう。
イラスト製作の面でいえば、Surface Goであれば「Photoshop」や「CLIP STUDIO PAINT」(クリスタ)といったデスクトップ向けアプリを使えることが大きい。
iPadはMacとつなげて液晶タブレットとして用いる方法はあるものの、単体ではこうしたデスクトップ向けアプリは動かないのがデメリットだ。ただ、クリスタに関してはiPad向けアプリを2017年11月から公開しているため、イラスト製作の環境は徐々に整いつつある。
以上から、Surface Goは「10万円以内でペンとキーボードが使える、軽くてコンパクトな2in1ノートPC」を求めている人にとっては有力な選択肢だといえる。
一方、価格面や解像度、軽さといった面ではiPadの魅力が光る。用途や予算に応じたデバイス選びをするのがいいだろう。
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