関空第1ターミナルの国内線チェックカウンター(2018年9月9日、筆者撮影)
9月4日、非常に強い勢力を保ったまま、大阪を中心として近畿地方に上陸し、各地に大きな被害をもたらした台風21号。中でも大きなダメージを受けたのが、大阪府泉佐野市の海上に浮かぶ関西国際空港だ。
非常に強い風の影響で防潮堤を乗り越えた高潮によって、主力である第1ターミナルのほぼ全域が冠水。停電も発生した。近くに停泊していたタンカーが流されて連絡橋にぶつかり、自動車専用道路が大きくずれたほか、鉄道の線路も損傷した影響で、大勢の利用客が空港内に取り残される事態となり、空港の機能が一時は完全に停止してしまった。
関空は台風上陸から3日後の9月7日(金)には、損傷の少なかった第2ターミナルとB滑走路を使って運航を再開した。同空港を拠点とするLCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションは9月10日(月)時点で同空港発着の33便のうち32便を運航。全日本空輸(ANA)は上海便、日本航空(JAL)は羽田便、中国の春秋航空も数便を飛ばし、一部の貨物便も運航している。
ところが、それ以外に旅客便の運航は再開されていない。タンカー衝突の影響による交通アクセスの問題は小さくないが、より深刻なのは第1ターミナルに生じた甚大な被害だ。
9月14日には第1ターミナルの部分供用開始へ
関空を運営する関西エアポートは9月8日に発表した早期復旧計画において、第2ターミナルの一部再開に続いて、約1週間後の9月14日過ぎには第2ターミナルの全面供用と第1ターミナルの部分供用を開始したいとしている。
台風到来後から6日後の9月9日(日)、筆者は関空へ向かい、現時点での運用状況について、さらに入館が制限されており一部停電が続いている第1ターミナルにも空港会社の許可をもらって取材できた。
今回の取材で感じたことは、第1ターミナルと第2ターミナルが、「違う空港か?」と思うくらい状況が異なっていたことだ。第2ターミナルについては、電気も完全復旧し空調も効いており、何一つ不自由なことはなかった。一時閉店していた飲食店も全て再オープンし、コンビニエンスストア(セブン-イレブン)も通常通りの営業で食べ物も十分に用意されていた。
お土産店も一部商品の入荷はないが、それもごく一部で多くの商品は通常通りに販売されていた。見た目においては通常時と変わらず、いつもLCC客で賑わっているターミナル内の人が少ないくらいの印象だ。ANAもJALも第1ターミナル再開まではピーチがメインで使用する第2ターミナルを使用する。
第2ターミナルの国際線エリアでANA上海行き、国内線エリアでJAL羽田行きの搭乗手続きが行われており、筆者は取材後にJALが唯一運航する羽田行きに乗るためにチェックインをしたが、機械でのチケット発行やチケットレスでの搭乗はできず、JAL側で予約記録を確認した後、手書きの航空券が発行された。
第1ターミナルは蒸し風呂のような暑さ
第2ターミナルの取材後、第1ターミナルへ向かった。第1ターミナルは空港関係者しか原則入ることができず、入館できる入口も限定されていた。入館した瞬間に蒸し風呂に入った気分とともに、強烈ではないがゴミの匂いのようなものも感じた。
4日の台風接近時、5日の滞留者の脱出までは人が多かったと聞いているが、想像を絶する暑さだったことはすぐにわかった。タンカー衝突の影響が空港再開を遅らせている要因という声もあるがそれは違う。滞留者の脱出においてはタンカー衝突で時間を要したことは紛れもない事実であるが、タンカーの衝突に関係なく、空港機能自体が完全に失われているのが現在の第1ターミナルの姿だ。
ターミナルの一定エリアでは停電が続いている。特に2階のチェックインカウンター後ろにあるフードコートエリアは基本的に真っ暗で懐中電灯がないと歩くことすら難しい状況だった。2階や3階を中心に歩いているだけで、ゴミ特有の匂いを感じる。
空港関係者向けに第1ターミナル2階にあるコンビニエンスストアもオープンしていたが、特に「ファミリーマート」は店内が停電で、店の前にパンを大きなトレイを地べたに載せたままの状態で販売していたのが印象的だった。
そんな中でも電源を確保してホットコーヒーだけは入れたてを販売していた。「ローソン」は店内の照明はついていたが冷蔵庫が使えずに飲み物は常温で販売されていた。その他の飲食店は全て閉鎖されたままだ。特に外の明かりが入らない飲食店は、真っ暗な状況で何もできていないお店もあった。
空港関係者の健康面が心配になる
空調が効かない劣悪な環境の中で出勤している空港関係者は、全力で復旧に向けて動いている姿が見られた。長期化となれば健康面への影響も懸念されるため、関係者はしっかりケアしてほしい。携帯電話については復旧しており、特に大きな不便さはなかった。とにかく停電が復旧しない限り、第1ターミナルの再開自体が難しい。連絡橋の損傷と同等以上に深刻であるというのが筆者の感じた印象だ。
関空は今や年間2800万人が利用し、半数程度が外国人だ。この観光需要が関西経済に少なからぬ影響を与えているため、要となる関空が機能停止した状態が続くのは望ましくない。早期復旧を進めるとともに、政府主導で動き出した、通常運用の大阪国際空港(伊丹空港)や神戸空港の両空港から、関空が通常運用に戻るまでの期間だけでも一刻も早く国際線を飛ばすような措置も早急に考えたほうがいいだろう。
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