2018年9月23日日曜日

27年ぶりに基準地価が上昇 来2019年に起きるコト

国土交通省2018年9月18日発表した7月1日時点の基準地価は、全均(全用途)の変動率が前年プラス0.1となり、1991年以来27年ぶりに上昇に転じた。商業地は同1.1と3年連続で上昇。住宅地はマイナス0.3だが、10年から9年連続でマイナス幅が縮小し、回復基調が明確になった。

アベノミクスによる融緩和や気回復を受け、地価は近年、二十数年ぶりなどという歴史的な回復基調が続いている。国交省2018年3月27日表した示地価(1月1日時点)は、地方圏の商業地が前年0.5上昇し、1992年以来26年ぶりにプラスに転じた。税庁が7月2日発表した2018年1月1日時点)の路線価は、全均変動率が前年0.7プラスとなり、16年に8年ぶりにプラスに転じて以降3年連続で上昇した。

住宅地もプラスに転じる可能性

今回の基準地価は、商業地と住宅地などを合わせた全用途の全均がバブル末期以来、27年ぶりにプラスに転じたというのがニュースで、これまでの地価の回復基調を裏付けた格好だ。しかし、全均の住宅地は今回もマイナスに沈んだままだ。日本の地価は1991年バブル崩壊が分岐点となった。基準地価の場合、住宅地、商業地、全用途均とも91年までは連続してプラスだったが、92年から一転、いずれもマイナスとなった。

回復がかった商業地は2016年プラス0.005となり、9年ぶりに上昇。その後は3年連続で上昇し、全用途均を押し上げた。0.3マイナスが残る住宅地だが、これまでのペースで回復が続けば、2019年プラスに転じる可性がある。そうなれば、住宅地は1991年以来、28年ぶりに上昇することになり、商業地、全用途均と合わせ、三つの標がいずれもマイナスを脱することになる。19年こそ、バブル崩壊後の「失われた二十数年」を取り戻す「節の年」となる可性が高い。

東京・銀座の地価の過熱感を指摘する声も

今回の基準地価について、不動産協会の菰田正信理事長(三井不動産社長)は「全均で27年ぶりに下落から上昇に転じ、地方圏では下落幅が引き続き縮小した。デフレ脱却への筋を確実に進む中、経済の好循環が着実に回りつつあることが地価に反映された」などとコメントアベノミクスが地価に与えた影を評価した。

今回の地価の回復は、気回復や価上昇、低利の継続による資調達環境の良さ、訪日外国人旅行者の増加などが背景にある。気になるのは融緩和によるバブルの再来だ。全最高地点となった東京中央区銀座2の「明治銀座ビル」は1メートル当たり4190万円とバブル期のピークを2年連続で更新した。国交省は「かつてのバブルは地価上昇を見込んだ転売的だったが、その動きは見られない。地価は実需に基づき上昇している」と話すが、市場では銀座の地価の過熱感を摘するもある。

2019年には住宅地もプラスに転じる可能性がある

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