経団連の中西宏明会長は3日の記者会見で、2021年春以降入社の学生の採用活動に関し、大企業が中心の会員各社を対象に面接の解禁時期などを定めた就職活動ルール(採用選考に関する指針)を廃止する意向を表明した。中西氏は「経団連が採用日程を采配することに違和感がある」と述べた上で、新卒者の一括採用など現在の雇用慣行に疑問を呈した。
現在の就活ルールは、3月に会社説明会、6月に面接をそれぞれ解禁し、20年春入社まではこれを適用することが決まっている。今後大学など関係各方面と調整を進めた上で、経団連として機関決定を目指す見通しだ。
人手不足の中、企業による学生の獲得競争は激化。外資系を含む経団連非加盟企業による「青田買い」の問題も指摘される。さらに20年には東京五輪・パラリンピックのため、会社説明会を行う会場不足も懸念され、前会長の榊原定征氏は今年秋ごろまでに見直す考えを示していた。
経団連の就活ルールは形骸化も指摘されていたが、企業・学生双方にとって採用や就職活動の計画を立てる際の一定の目安となっていた。ルールが頻繁に変更されたり、廃止されたりすれば混乱が生じかねない。中西氏は「どういう解決策があるのか考えないといけない」と述べ、今後、学生側の意見を聞く意向を示した。
一方、学生を送り出す側の日本私立大学団体連合会は「現行のスケジュールを堅持すべきだ」と廃止に反対の立場。中西氏は「(廃止について)困ると誰も言ってきていない」と話すが、調整が難航する可能性もある。(2018/09/03-19:08)
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