トランプ米大統領はイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長を再指名する可能性がある一方、コーン国家経済会議(NEC)委員長も次期FRB議長の有力候補であることを明らかにした。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで発言した。
同大統領は来年2月に任期切れとなるイエレン議長(70)について、「候補に挙がっている。間違いない」と指摘するとともに、議長を尊敬しており、個人的にも好きだと語った。大統領はWSJ紙に対し、「私は金利が低水準にとどまるのを見たい。イエレン議長はこれまで低金利を維持してきた人物だ」と述べた。
現職FRB議長を続投させれば、ホワイトハウスの伝統に沿うことになる。歴代議長のポール・ボルカー、アラン・グリーンスパン、ベン・バーナンキ各氏はいずれも最初に議長指名した大統領の所属政党とは異なる党の大統領から再任された。政策の継続性と金融市場安定が大統領の経済課題に重要であり、議長を交代させればホワイトハウスがリスクを負う事実を映した選択だ。
9月に出版されるFRBに関する書籍を共同で執筆したマーク・スピンデル氏は「この件は大統領次第であり、大統領は低金利を好むと明言している」と述べ、イエレン議長よりも急速な利上げに傾く人物やタカ派に大統領が注目することはないだろうと指摘した。
イエレン議長は2月3日に切れる現在の任期を全うする意向を述べた以外、FRBでの自らの将来についてコメントを避けている。
WSJによると、コーンNEC委員長(56)はインタビューに同席した。トランプ大統領は「ゲーリー(・コーン氏)とは長年の知り合いだが、一緒に働いてゲーリーに対する敬意が高まった。ゲーリーは確かに候補の中だろう」と述べた。コーン氏は現在のポジションに満足だと示唆している。
元FRBスタッフで現在はコーナーストーン・マクロのグローバル金融政策調査責任者を務めるロバート・ペルリ氏は「市場関係者の多くがイエレン氏を完全に考慮対象外にしていたとは思わない。従って、今回の発言は投資家にとって大きなサプライズではないだろう」とコメント。「誰が議長になろうと、政策が急激に変化する可能性は低い。FRB議長は重要だが、皇帝ではない」と指摘した。
原題:Trump Says He’s Considering Both Yellen, Cohn for Fed Chair (2)(抜粋)
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