2018年2月23日金曜日

宇部興産、品質検査で不正 90年代から

 化学メーカー大手の宇部興産は23日、グループ会社の宇部丸善ポリエチレン(UMP、東京・港)が一部製品について、顧客と取り決めた品質検査を行わずに出荷していたと発表した。1990年代から不正が続いていた。現時点で法令違反や品質に問題点はないという。弁護士らを交えた調査委員会が不正の原因や再発防止策を検証し、3月末をめどに結果を発表する。

 不正があったのは汎用樹脂の「低密度ポリエチレン」で、電気や通信用ケーブルを覆う材料。売上高ではUMPの全体(16年度、250億円)の7%にあたる。全部で75項目ある品質検査のうち、強度など16項目を実施せず、過去のデータを使い回していた。出荷先の企業は合計50社。

 山本謙社長は23日、都内で記者会見し「内部統制が脆弱だった」と謝罪した。詳細は調査中だが、不正を知っていたのは「検査をする部署のメンバーと、その上司らの狭い範囲。外からの目が行き届いていなかった」(山本氏)という。

 昨年12月11日に不正が発覚し、内部調査を経て、12月25日に概要を把握した。今年1月中旬から納入した顧客に説明をしてきたため、公表までに時間を要したという。

 山本社長は「不適切な状況を是正できなかったことは経営者の責任。二度と起こらないよう再発防止策を行うことが私の責務だ」と話した。

 該当する製品は宇部丸善ポリエチレンが販売し、宇部興産が生産を請け負っている。UMPは宇部興産と、丸善石油化学が50%ずつ出資する。

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