2018年2月28日水曜日

新幹線台車亀裂、川重が底面削り強度不足か JR西「設計と違う」

 JR西日本の新幹線のぞみの台車に亀裂が入った問題で、同社は28日、川崎重工業が2007年に台車枠を製造した際、底面の鋼材を薄く削ったことが、強度不足を引き起こし、大きな亀裂を生じさせた可能性があることを明らかにした。台車枠の最も薄い箇所は、両社が取り交わした仕様書の基準である厚さ(7ミリ)よりも薄い4.7ミリだった。

新幹線の台車に亀裂が入った問題について記者会見するJR西日本の来島達夫社長(右)(28日午後、大阪市北区)

新幹線の台車に亀裂が入った問題について記者会見するJR西日本の来島達夫社長(右)(28日午後、大阪市北区)

 同日記者会見したJR西の来島達夫社長は「鉄道の安全は車両メーカーと一体で守られる。製造時に超音波による検査を求めることなどを検討する」と説明。今後は製造段階から、車両の品質管理に関わっていく方針を明らかにした。

 JR西によると、亀裂が入った台車枠の鋼材は縦約17センチ、横16センチで、中が空洞のロの字型構造。厚さ8ミリの鋼材を使って成型後、別の部品を溶接した際に底面の一部を削ったため、加工後の厚さの基準に満たなかった。

 新幹線担当の平野賀久副社長は記者会見で「強度が保てないことは明白。設計図通りに作られていない」と指摘。川重側は鋼材を削る工程について「本来は行ってはいけない作業だった」と説明したという。

 底面の一部では、溶接時に生じたとみられる割れも見つかった。溶接部の割れを起点に、長時間かけて亀裂が進んだ可能性がある。亀裂の長さは枠の両側面約14センチに及び、残り3センチで最上部に達して台車が破断する恐れもあった。

 平野副社長は「鋼材の厚さが基準通りであれば、割れがあったとしても亀裂が早く進展することはなかったと考えている」と述べた。

 一方、川重が製造し、JR西が所有する303台の台車のうち、亀裂が生じた新幹線以外の100台で、鋼材の一部が基準未満の厚さに削り込まれていたことも分かった。100台については安全性に問題はないとしているが、順次交換を進める方針。

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