2018年6月29日金曜日

日立化成、鉛蓄電池で品質データ改ざん 500社に納入

 化学材料メーカー大手の日立化成は29日、ビルや工場で使うバックアップ電源用の鉛蓄電池で、顧客と取り決めた品質検査のデータを改ざんしていたと発表した。不正は少なくとも2011年4月から18年6月まで7年以上続き、約6万台を500社程度の顧客に納入した。素材産業は17年に神戸製鋼所で品質不正問題が発覚して以降、不正の連鎖が続いている。

 不正対象の製品は日立化成の名張事業所(三重県名張市)でつくる産業用の鉛蓄電池。非常用電源として、データセンターや原子力発電所などにも使われている。

 電池の容量を示す電圧を巡り顧客と取り決めた検査を行わず、改ざんした数値を報告書に記載していた。改めて調べたところ「品質に問題はない」(日立化成)という。

 11年3月以前については現在調査中で、対象期間や納入企業数がさらに増える可能性がある。弁護士らで構成する特別調査委員会が詳しく調べる。

 日立化成の産業向け鉛蓄電池のうち、不正が発生したのは年間売上高の約6%分(約50億円)。産業用とは別の自動車向け鉛蓄電池は不正対象ではないとしている。

 丸山寿・社長兼最高経営責任者(CEO)が29日、都内で記者会見し、「徹底的に原因を調査し、再発防止策を作り上げたい」と謝罪した。

 東京本社の経営陣が不正を知ったのは6月13日。名張事業所で品質保証を担当する部長は17年11月に事業所長(工場長)に不正を伝えたが、事業所長は東京本社の経営陣まで情報を上げていなかった。昨年以前についても「品質保証部長は不正を知る立場にあっただろう」(丸山社長)。

 名張事業所はもともと旧・新神戸電機が運営していた。新神戸電機は16年1月に日立化成が吸収合併した。

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