トランプ米政権が鉄鋼・アルミの輸入制限で一部製品の適用除外を発表したが、23日で輸入制限発動から3カ月が経過する中、遅々として進まない手続きに日本側には不満も高まっている。しかし日本は輸入制限で「大きな影響は出ていない」(日本鉄鋼連盟の柿木厚司会長)のが現状で、欧州連合(EU)のような対抗措置には慎重。今後本格化する米国との通商協議を前に米国を刺激したくないとの思惑もありそうだ。
「主力製品が、どんどん適用除外される雰囲気ではない」。ある政府関係者はやきもきした様子で製品別除外の状況について語る。
米商務省は国別の適用除外とは別に、製品別の適用除外を申請から最長90日で審査する手続きを進めている。日本の製品は4月以降に申請されたものが多く、適用除外は「7月以降に認められるものが多いのではないか」(経済産業省幹部)との期待もある。
しかし今回適用除外された製品は、2万件以上申請されたうちの42品目に過ぎない。日本側からは「審査手続きが不透明で、かつ遅れている」(大手鉄鋼関係者)との指摘は多く、米側への不信感も募る。
鉄鋼輸入制限をめぐっては、すでに中国やEU、カナダなど6カ国・地域が世界貿易機関(WTO)への提訴手続きを開始。日本も5月に対抗関税の準備をWTOに通知し、WTO提訴も視野に入れている。
ただ、日本は米国への対抗策発動には慎重だ。今のところ輸入制限の影響が限定的であることに加え、7月に始まる米国との新しい通商協議を控え、政府内には「米国を刺激したくない」との思惑も透ける。菅義偉官房長官は21日の記者会見で、鉄鋼輸入制限について「適用除外を引き続き粘り強く求めていく」と従来の見解を述べるにとどめた。(大柳聡庸)
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