2018年6月25日月曜日

ダイハツ、女性の初心者にも運転しやすい軽自動車

 ダイハツ工業は25日、新型軽自動車「ミラトコット」(税込み価格は107万4600円~142万5600円)を発売した。主なターゲットは免許を取得したばかりの女性。企画の段階から女性の意見を取り入れて、後方の視界が入りやすく、車間距離もつかみやすいボディー形状にした。デザイン面でもかわいさよりもシンプルさを追求した。

新型軽乗用車「ミラ トコット」を発表するダイハツ工業の奥平社長(右から4人目)ら(25日、東京都港区)

 ミラトコットは社内の女性を集めて既存車種を乗り比べ、どの構造が運転しやすいかを徹底的に吟味した。ボディー形状は最近は車体横の窓ガラスが後ろに向かって尻上がりに高くなるのがトレンドだが、あえて前方から後方まで高さを水平に保ち、後方斜めからの車両を視界に入りやすくした。運転席からボンネットの先端まで見える構造にして、前方の車間距離もつかみやすくした。

 事故への備えも充実させた。衝突回避支援システム「スマートアシスト」を最安グレード以外に搭載。シート横にとりつけてわき腹をまもるサイドエアバッグや、頭部への衝撃を緩和するカーテンシールドエアバッグも全グレードに搭載した。

 デザイン面でも女性の声を反映させた。ミラトコットは2月まで生産していた「ミラココア」に比べて装飾を少なくしてシンプルにした。段ボール2箱分の女性誌をもとに若年女性の感性の変化を分析した結果、女性の間では「素の魅力やシンプルなほうが好まれる」(ダイハツ商品企画室の西山枝里さん)との結論に達した。

 開発の段階で女性の意見を取り込んだという車は他にもある。ただ今回は「ご意見番として部分的に声を採用したのではなく、女性チームがOKを出さないと前に進めないようにした」(車両を開発した中島雅之チーフエンジニア)。

 顧客ニーズが多様化するなかで軽自動車の開発でも機能を盛り込む詰め込み型から、受け手の欲しい機能を厳選する取捨選択型に変わってきている。今回のターゲットは女性の初心者ドライバー。人気をつかめるか注目されそうだ。(香月夏子)

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