2018年6月23日土曜日

「はれのひ」元社長が帰国、詐欺容疑で聴取 神奈川県警

 着物店「はれのひ」(横浜市)が今年の成人式を前に突然店を閉じ、多くの新成人が晴れ着を着られなかった問題で、篠崎洋一郎・元社長(55)が23日午後、滞在先の米国から帰国した。神奈川県警は、金融機関から融資金をだまし取った詐欺の疑いで元社長の事情聴取を進める。

 篠崎元社長は午後3時40分すぎ、千葉・成田空港に姿を見せた。待ち構えていた約30人の報道陣に一瞬驚いたような表情を見せた後は終始うつむきがちに。幼い女児を抱っこしたまま、女性とともに足早に通り過ぎた。その後、数人の捜査員に取り囲まれるようにして、地下に待機していた警察車両に1人で乗り込んだ。

 捜査関係者によると、同社は2015年9月期決算で、約5千万円の架空売り上げを計上するなどして債務超過を隠し、この粉飾した決算などをもとに繰り返し多額の融資を引き出していた疑いがある。このうち、16年9月に横浜銀行(横浜市)から受けた3500万円の融資について、県警はまず重点的に解明する方針だ。

 同社は新規出店を重ねた末、今年1月に破産手続きに入った。今月20日には債権者向けの集会が開かれ、新成人ら約1100人の着物や着付けなどの代金を含め、負債総額は約10億8500万円に上ることが明らかにされた。この場に篠崎元社長は現れなかった。(田添聖史、伊藤和也)

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