2018年6月23日土曜日

はれのひ社長を聴取へ 融資金詐取の疑い

 2018年1月に経営破綻した振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」(横浜市)が虚偽の財務書類を金融機関に示し、融資金をだまし取ったとして、神奈川県警は23日、同社の篠崎洋一郎社長(55)を詐欺容疑で逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。篠崎社長は23日午後、滞在先の米国から成田空港に到着し帰国。県警は任意で事情聴取し、容疑が固まり次第、逮捕するとみられる。

滞在先の米国から成田空港に到着した篠崎社長=23日

滞在先の米国から成田空港に到着した篠崎社長=23日

 同社は18年1月8日の成人の日を前に突如営業を停止。横浜市や東京都八王子市の店舗で着付けができず、式に出席できない新成人が相次いだ。

 破産管財人などによると、同社は15年ごろから店舗数を急拡大したことで借入金が増え財務状況が悪化し、負債総額は約10億8500万円。借入金約4億円のほか、新成人や取引業者の損害が約3億4千万円あった。15年9月期の決算で約4800万円分の売り上げを架空計上していたことが分かっている。

 捜査関係者によると、同社は16年9月、売り上げを架空計上するなどした財務書類を示し、千葉県柏市の新規店舗の開店資金名目で、金融機関から3500万円の融資をだまし取った疑いが持たれている。

 篠崎社長は横浜地裁から破産手続きの開始決定を受けた1月26日に記者会見を開き「成人式を台無しにしてしまった。全て私に責任がある」と陳謝。だが、その後は海外にいたとみられ、代理人弁護士も連絡が取れない状況が続いていた。

 6月20日に行われた債権者集会では、滞納した税金や従業員への未払い給与などの優先債権が約1億400万円に上り、破産手続きの必要経費もあるため、新成人ら約1100人の債権約3億4千万円については支払いの見通しがないことが明らかになった。

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