さいたま市の鉄道博物館で26日、新館オープン・本館リニューアル報道公開が実施された。7月5日にオープンする新館では、鉄道の「仕事」「歴史」「未来」をテーマとする3つの展示ゾーンが設置されている。
鉄道博物館は開館10周年とJR発足30周年を迎えた昨年、キッズプラザ・科学ステーション等のオープンを皮切りに全館リニューアルを順次進めてきた。その集大成としてオープンする新館は本館の南側に位置し、地上4階建ての建物の1・2階に「仕事ステーション」、2階に「未来ステーション」、3階に「歴史ステーション」を設置している。
新館1階では、営業最高速度320km/hを実現したE5系新幹線電車のモックアップと、新幹線・在来線の直通運転を可能にした400系新幹線電車の実物を展示。400系は車内も見学できるという。E5系は通常、外観のみの見学となるが、今回は特別に車内も公開された。
「仕事ステーション」は鉄道を支えるさまざまな分野の仕事に挑戦し、プロフェッショナルになりきる体験型ステーション。模型とマルチ映像で鉄道システムを紹介するほか、鉄道の運行を支える駅・乗務員・設備メンテナンスの仕事も模擬体験できる。京浜東北線209系を模した運転室で車掌の仕事を体験できる「車掌シミュレータ」は1階に設置。本館1階にあった在来線運転シミュレータ(205系・211系)を2階のシミュレータホールへ移設するとともに、「E233 シミュレータ」と「E5 シミュレータ」を新設した。
「未来ステーション」は未来の鉄道をテーマに、「未来の鉄道に入り込み、これからの鉄道の姿をみんなで考えるステーション」になるという。「歴史ステーション」は140余年にわたる日本の鉄道の歴史を「手探りの鉄道黎明期」「国産技術確立期」「鉄道輸送の黄金期」「世界一への飛躍期」「未来への蓄積期」「多様化する鉄道成熟期」の6つの時代に区分し、それぞれの時代を象徴する駅の意匠と出札口・改札口を再現した「社会展示」と、社会の要請に応えて開発された「技術展示」を展開。国鉄時代末期からJR発足後にかけて運行された懐かしい列車のヘッドマークなども展示されている。
新館4階「ビューレストラン」では、「厚切りベーコンの大宮ナポリタン」「照り焼きハンバーグのハチクマライス」などのメニューを用意し、隣接する線路を走る新幹線を眺めながら食事を楽しめる。「ビューレストラン」に併設し、本館のパノラマデッキより高い位置から在来線の線路を見渡せる展望スペース「トレインテラス」も設置した。なお、新館建設にともない閉鎖していた「てっぱくひろば」も再オープン。「E7系スライダー」をはじめ車両をモチーフとした遊具がそろい、「ミニはやぶさ号」の運転も行われる。
7月5日にオープンする新館は、本館のメイン展示である「車両ステーション」とは対照的に、明るく開放的な空間となっている点も特徴。鉄道博物館館長の宮城利久氏によれば、新館はモノトーンを意識した設計で、内装については壁の色などに白を多用し、明るい雰囲気を演出しているという。新館オープンを前に、宮城館長は「展示面積がこれまでの1.3倍となり、いままで以上に鉄道に関するさまざまなことをお伝えできるのではないかと思います。より多くの方々に鉄道のことを知ってほしい」と話していた。
なお、新館オープンの事前準備にともない、オープン前日の7月4日は臨時休館日に。新館オープンに合わせて料金が一部改定され、7月5日からの入館料(個人)は一般1,300円・小中高生600円などとなる。
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