2018年１月に経営破綻した振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」（横浜市）が虚偽の財務書類を金融機関に示し、融資金をだまし取ったとして、神奈川県警は23日、同社社長の篠崎洋一郎容疑者（55）を詐欺容疑で逮捕した。同容疑者は23日午後、滞在先の米国から成田空港に到着し帰国したところを、県警が任意同行した。
米国から成田空港に到着した篠崎洋一郎容疑者（23日午後）＝共同
同社は18年１月８日の成人の日を前に、突如営業を停止した。横浜市や東京都八王子市の店舗が閉鎖され、晴れ着を着れず成人式に出席できない新成人が相次いだ。
捜査関係者によると、同社は16年９月、約4800万円の売り上げを架空計上するなどした15年９月期の財務書類を提示。千葉県柏市の新規店舗の開店資金名目として金融機関から融資金をだまし取った疑いが持たれている。
破産管財人などによると、同社は15年ごろから店舗数を急拡大したことで借入金が増加。財務状況が悪化し、負債総額は約10億8500万円に上った。借入金約４億円のほか、新成人や取引業者の損害が約３億４千万円あった。
横浜地裁から破産手続きの開始決定を受けた18年１月26日、篠崎容疑者は記者会見を開き「成人式を台無しにしてしまった。全て私に責任がある」などと謝罪した。だが、その後は海外に滞在するなどし、代理人弁護士も連絡が取れない状況が続いたという。
６月20日には、篠崎容疑者が不在のまま横浜市で債権者集会が開かれた。滞納した税金や従業員への未払い給与などの優先債権が約１億400万円に上ることなどが判明。新成人ら約1100人の債権約３億４千万円については、支払いの見通しがつかないことが明らかになった。
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