日本海洋掘削は22日、東京地裁に会社更生手続き開始を申し立て、受理されたと発表した。同社は石油掘削装置(リグ)の稼働率が低下し、2018年3月期に155億円の債務超過に陥った。単体ベースの負債総額は904億円。市川祐一郎社長は22日開いた記者会見で「市況がこれだけ急激に悪化すると予測できかなった」と述べ、過大投資が重荷になったと説明した。主なやり取りは以下の通り。
――このタイミングで会社更生手続きを申し立てた理由は。
「債権者である金融機関、リース会社と我々との間で、私的整理の枠組みの再建スキームを立ち上げることが非常に難しくなった。7月31日を期限とするリグの約180億円の支払いを遅らせることができないうえ、スポンサー候補も7月末までに決まりそうにない。さらに株主総会が1週間後に控えており、その後に法的整理となると社会的信用を一段と失うことになる。そういった状況を総合的に判断した」
――18年3月期に特別損失を計上した2つのリグへの過剰投資が会社更生手続きの主因となった。投資を決めた経緯は。
「(投資を)決断したのは14年秋だ。古いリグの代替が必要だった。当時の市況は非常に良く、リグの1日あたりの作業料は今の3倍あった。競合に先駆けて何とか投資したいという思いがあった」
――足元では原油価格が上昇してきている。なぜ経営が立ちゆかなくなったのか。
「石油開発会社であれば原油価格の上昇がすぐ収入に結びつくが、我々の収入に結びつくのは石油会社の資金が潤沢になり開発を決めてからで、原油価格の変動に対して半年から1年は遅れる」
――14年の投資は市況を読み誤ったという認識か。
「当時はリグの作業料金が3分の1、稼働率が半分になるとは予測できなかった」
――大株主である石油資源開発や三菱マテリアルにはいつごろから相談していたのか。
「1年半前から相談していた。大株主が(追加の)増資を受け入れなかった理由については我々が知るところではない」
――日本の今後の資源開発にどのような影響が及びそうか。
「我々は操業をやめるわけではない。今の段階で運転資金がないわけでもない。会社更生手続きがスムーズに運ぶなら、大きな影響はない」
(森国司)
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