アマゾン、画面付きスマートスピーカーを国内発売へ

アマゾンが「Echo Spot」を国内発売(撮影:山口健太、以下同じ)

アマゾンジャパンは2018年6月20日、ディスプレイ付きのスマートスピーカー「Amazon Echo Spot」を国内で販売開始すると発表した。Amazon.co.jpで先行予約を受け付け、7月末に出荷を開始する。

Echo Spotは米国で2017年9月に発表されたモデル。日本での価格は1万4980円（税込み）。Echo発売時のような招待制ではなく、最初から一般向けに販売する。

アマゾンジャパン Alexa Experience & Devices JPカントリー・マネージャーのカレン・ルービン氏

発表に先駆けて開催した説明会には、Alexa Experience & Devices JPカントリー・マネージャーのカレン・ルービン氏が登壇。Amazon Echoシリーズの最新状況について、「先週にはフランスでも販売を開始した。星5つのレビューは世界中で10万以上、日本でも3カ月で1300以上ついている。キーボード操作に慣れないシニアでも、音声で楽しく使えるといった声をいただいている」と語った。

「Amazon Echo Spot」は、音声でAmazon Alexaを利用できるスマートスピーカーとしての機能は他モデルと共通で、タッチ対応ディスプレイやフロントカメラを搭載する点が異なる。これにより、従来機能の強化に加え、Echo Spotからの新機能も利用できるという。

従来機能の強化としては、「天気予報」では画面に1週間の予報を表示したり、「タイマー」は残り時間のカウントダウンやタイマーの名前を表示したりする。「リスト」では、これまで音声の読み上げやスマホアプリでリストを確認していたが、画面に一覧表示できるようになった。

検索機能では、映画の上映情報を検索すると映画のポスターを表示。アマゾンでの買い物時には、商品画像や価格、星の数を表示し、検索結果は指でスワイプできる。音楽再生では楽曲のリストを表示して指で選択できるようになった。

Echo Spotの新機能としては、動画の再生に対応。フロントカメラで写真を撮ってプライムフォトに保存できる。文字盤をカスタマイズできるデジタル時計や、デジタルフォトフレームとしても利用できるという。

電力供給には付属のACアダプターを利用。背面には3.5mmのステレオジャックも搭載しており、有線やBluetoothで他のスピーカーと連携できる。

本体カラーはブラックとホワイトの2色で、価格は1万4980円（税込み）。一度に2台買うと2台目の購入が半額になるプロモーションを6月24日まで展開する。7月末の出荷開始後は、家電量販店などにも展開するという。

米国では大型画面の「Amazon Echo Show」も発売しているが、「日本では住居のサイズや使われ方を想定し、Echo Spotが適していると判断した」（ルービン氏）と語った。Echo Showの発売予定には言及しなかったが、「Echo Showを含め、どういうタイミングで日本に持ってくるか考えながら進めている」（同）と説明した。

Echo Spot対応のAlexaスキルは50以上

アマゾンジャパン Alexa Business Group ジェネラルマネージャーの柳田晃嗣氏

AlexaスキルのEcho Spot対応については、Alexa Business Group ジェネラルマネージャーの柳田晃嗣氏が説明した。

Alexaスキル全体の状況について、「5月から子ども向けスキルの開発が可能になり、11種類が公開されている。スキル全体では950種類を超え、その多くが日本で日本のユーザーのために作られている」（柳田氏）とした。

開発者がAlexaスキルをEcho Spotに対応させるには、アマゾンが提供するテンプレートを利用できるという。さらに、「50を超えるスキルがEcho Spotの出荷開始と同時に使えるようになる」（柳田氏）として、いくつかのスキルをデモで紹介した。

「NHKニュースのヨミ子」では、NHKのキャラクター「ヨミ子」が最新ニュースを読み上げる。「エムキャス」では、ライブで放送しているテレビ番組を見ることが可能。「カラオケJOYSOUND」では、曲に合わせて色が変わる歌詞を見ながらカラオケを楽しめる。「DELISH KITCHENの簡単レシピ検索」では、調理手順を動画で見ながら音声で巻き戻しや早送りができる。

ほかにも「ホットペッパーグルメ」や「ANA」、「JTBホテル」といったAlexaスキルがEcho Spotに対応し、音声に加えて画面に写真などを表示できることを示した。

スマートホーム連携機能としては、ネットギアのネットワークカメラ「Arlo」に対応する。Arloが撮影した映像を、音声操作でEcho Spotの画面に表示する。Echo SpotとArloを15%オフの価格でセット販売するプロモーションも展開するという。

今後提供予定のコミュニケーション機能も先行公開した。EchoデバイスやAlexaアプリ間で、音声やテキストによるメッセージの送受信や、遠隔からのカメラ利用、ビデオ通話に対応するという。

Alexaスキルの開発支援策としては、コンテストとして「Alexaスキルアワード2018」を開催しており、8月27日まで作品を募集する。開発者向けイベントの「Alexa Dev Days」を東京で開催する計画もあるという。

（ライター　山口健太）

［日経 xTECH　2018年6月20日掲載］

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