民泊仲介大手のAirbnb Japanは、2018年6月21日に記者会見を開き、民泊新法施行後も違法物件が同日までに数千件掲載されていたことを発表した。
同社のサイトに物件を登録する際に、自治体への架空の届け出番号など虚偽の情報を入力し、検知システムを通過したという。「こちらで検知できないところを突かれてしまった。システムの精度を向上させ、観光庁にもご指導を仰ぎしっかり対応していきたい」と同社公共政策本部長の山本美香氏は話した。同日までに発見された違法物件はすべて削除され、予約も取り消された。
予約者に対しては、宿泊料を全額返金し代替施設を紹介、予約をしていた施設の宿泊料と同額のクーポンも発行する。新法施行直前に約8割の物件を削除した”エアビーショック”の際に、11億円を充て立ち上げたゲストへの補償のための基金から今回も補償する。
Airbnbに物件を登録するには、自治体から割り振られたMではじまる9桁の届け出番号を入力するか、旅館業や特区民泊として許認可を受けている旨を記載する必要がある。現在、同社の検知システムでは、2段階で違法物件の削除に取り組んでいる。申請画面で明らかに届け出番号と異なる番号を入力した場合は、エラー画面が出てそれ以上進むことができないという。しかし、架空の番号を入力しチェックを通過してしまう場合もあるといい、その場合は掲載後に削除する。
また、テキストでの入力となる旅館業や特区民泊での申請の場合は、検知が難しく掲載後の対応になるため、「現状ではどうしても時差が出てしまうが、見つけ次第削除していく」(山本氏)
現在、米国のサンフランシスコやニューオーリンズなどの都市では、Airbnb側のホスト情報と自治体の許認可情報をシステムでつなぎ、物件登録があり次第違法かどうかを確認できるようになっている。「日本でも同様のシステム構築について観光庁に提案しており、前向きに検討していただいている。実現できるのであれば、費用を出す準備はある。このシステムが構築されるまでは完全に違法物件掲載を防ぐことは難しい」(山本氏)。
いたちごっこをなくすためには、官民連携でのシステム構築が不可欠との見方を示した。
(文/北川雅恵=日経トレンディネット)
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