2018年7月15日日曜日

新幹線殺傷の22歳、面会の両親を数秒で拒絶

小島容疑者が野宿していたとみられる公園。雨をしのげる屋根付きスペースもある(長野県上松町で)

東海道新幹線の車内で乗客3人がナタで襲われた殺人、殺人未遂事件で、無職小島一朗容疑者(22)(愛知県岡崎市)の刑事責任能力を調べる鑑定留置が13日から行われている。

神奈川県警の調べに対し、一貫して「社会を恨んでいた」と供述する一方、動機については不可解な説明をしており、専門家の詳しい鑑定が必要になった。親族らへの取材では、社会で孤立し、居場所を追われた経緯の一端が明らかになってきている。

「自分は無価値」

逮捕5日後の6月14日。両親と祖母が留置先の小田原署を訪れた。面会室のドアを開けた小島容疑者は3人の顔を見つめ、数秒で閉めた。差し入れも翌日の面会も拒んだ。祖母は「やけくそになったのか。こんなことになって情けない」とこぼした。

小島容疑者は6月9日夜、新横浜―小田原間を走行中の新幹線車内で、女性2人にけがをさせ、男性を殺害した容疑で逮捕、送検された。「昔から人を殺す願望があった」「刑務所に入りたかった」と繰り返した。

捜査関係者によると、表情を変えず、淡々と取り調べに応じた。しかし、殺害を思い立ったきっかけの調べに入ると、「祖母から『縁を切る』と言われた」と話し、さらに詳しい説明を求められると、「もういい」と押し黙った。

親族らによると、小島容疑者は愛知県一宮市の中学校で不登校になり、父親との関係が悪くなった。母親の勧めで自立支援施設に入ると安定し、定時制高校、職業訓練校を経て就職。施設関係者は「問題行動はなかった。それまでは居場所がなかったのだろう」と話した。しかし、就職した埼玉県内の機械修理会社で人間関係につまずき、1年足らずで一宮市に戻った。母親は事件後のコメントで「かなりの自信喪失で自殺をほのめかした」と振り返った。

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