開発責任者を務める本田技術研究所四輪R&Dセンターの清水潔主任研究員は「現在ラインアップされている他社のPHEVすべてに対し、性能および使い勝手の良さでのアドバンテージを合わせ持つクルマだと思っている」と胸を張る。
クラリティPHEVは、2016年に発売された燃料電池車『クラリティ・フューエルセル』とプラットフォームおよびボディを共有化し、パワートレインをPHEV化したモデル。清水氏はクラリティをPHEVするのに化にあたり「まずはどれだけバッテリーを積めばいいのかというところが大事なので、北米での使い勝手を考えて、バッテリーの容量を決めた」と振り返る。
このため、クラリティ PHEVのメイン市場となる北米、なかでも米国のユーザーを満足させることができるEVモードでの航続距離はどれくらいかを実際に調査したところ、「47マイル。結果的に日本のJC08モードで114kmぐらいまで走れる容量」になったという。
そこで、『アコードPHEV』に使われていた2モーターハイブリッドシステムをベースにバッテリーの高容量化やコンバーターの高出力化を図り、目標とした航続距離を実現するとともに、EVモードでの最高速度を160km/hまで引き上げた。
その結果、「EVで走れる出力範囲や車速を上げたので、あまりエンジンで頑張らなくても良くなったのでダウンサイジングし、燃料タンクも26リットルと非常に小さくすることができた」と清水氏は解説する。
ちなみにアコード PHEVでは2リットルのアトキンソンサイクルエンジンを搭載していたが、クラリティ PHEVは「もともとあった『フィット』の1.5リットルのエンジンをベースにしながらやった」とのことだが、最大熱効率40.5%と従来比で1ポイント改善する工夫も施している。
クラリティ PHEVの車両重量は1850kgで、クラリティ・フューエルセルと比べてもわずか40kg軽いだけだ。「水素タンクがなくなり、FCEVのパワートレインとPHEVのパワートレインとのの重量差もあるが、それをバッテリーが相殺してしまい、それくらいの差にしかならない。それくらい、まだまだバッテリーは重い」と清水氏は明かす。
だがその一方で、超重量級のバッテリーを床下に収納するレイアウトにより、「すごく低重心になっているので、レールの上を走っているようなスムーズな感じで走れる。クルマ自体の重さを全く感じさせないような、スムーズな乗り味になっている。ダイナミック性能でいうと、あの重さがあったことが結果的に、非常に良かった」とも話していた。
Read Again https://response.jp/article/2018/07/19/312101.html
0 件のコメント:
コメントを投稿