2018年9月24日月曜日

苫東厚真4号機、前倒しで9月内復旧 北海道電が見通し

 北海道電力は24日、北海道で震度7を観測した地震の影響で停止していた苫東厚真火力発電所4号機(厚真町、出力70万キロワット)が9月中にも再稼働できる見込みになったと発表した。当初は11月以降としていた復旧見込みを大幅に前倒しした。24日から段階的に発電出力を上げる試運転を進めている。

苫東厚真火力発電所の外観。手前が4号機の建屋(20日、北海道厚真町)

 4号機はタービンから一時出火し、北海道電は当初、修理にタービンの分解点検が必要とみていた。16日から始めたタービンの動作試験の結果が良好だったため、分解と再組み立ての作業は不要と判断した。4号機は苫東厚真の3基の発電機のなかで最も出力が大きく、冬季の電力需要期に向けて供給力に一定の余裕ができる。

 苫東厚真の1号機(35万キロワット)は19日に再稼働済み。2号機(60万キロワット)は今週前半にも復旧できる見込みだったが、燃料となる石炭を細かく粉砕する「微粉炭機」6台のうち2台にトラブルが発生したことから再稼働のメドは10月中旬に延期した。

 苫東厚真は総出力165万キロワットと北海道で最大の火力発電所。新規制基準に伴う安全審査で全基が停止中の泊原子力発電所(207万キロワット)に次ぐ出力を持つ。電力供給における苫東厚真への依存度は大きく、地震の影響で一時は苫東厚真の全発電機が停止したことが全道ブラックアウトを引き起こしたとみられる。

 北海道は冬に近づくほど電力需要が増える。北海道電は冬季の電力の需給安定には苫東厚真の全面復旧が不可欠としている。

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