6日に北海道で起きた地震で一時は道内全域に及んだ停電(ブラックアウト)は、8日中に道内ほぼ全戸で解消される見通しとなった。世耕弘成経済産業相は7日夕方に記者団に、「8日中には最大で360万キロワット程度の(電力の)供給力を確保し、北海道全域のほぼ295万戸への電力供給を再開できる見通しになった」と述べた。政府や北海道電力が供給力の積み増しを急ぎ、火力発電所や水力発電所の再稼働に加え、企業の自家発電設備なども広く活用。従来の想定よりも早く電力供給が回復するめどが立った。
世耕氏は「あらゆる努力を積み重ね、当初見込んでいた供給力に比べて、かなり上積みした」と言及。北電はこれまでに各地の水力発電所を手始めに、廃止が決まっていた分も含めて各地の火力発電所を順次稼働させた。さらに、北海道と本州を結ぶ送電線を使った電力融通も始めている。
加えて、大企業を中心に自家発電設備でつくった電気を北海道電の送電線に送ってもらうといった協力を取り付けた。再生可能エネルギー由来のバイオマス発電の電気などもかき集めた。
地震前日の5日はピーク時の道内の電力需要量が約380万キロワットだった。ただ、土日や祝日は平日に比べて需要量が一定程度下回るとみられ、一部地域を除いて停電が解消される見込みになった。ただ、再稼働した火力発電所の中には老朽化したものも含まれ、周波数の問題などから再び大規模な停電が発生するリスクもあり、世耕氏は徹底した節電を呼びかけた。
一方、地震発生当時に道内全域の電力需要量の半分程度を賄っていた苫(とま)東(とう)厚(あつ)真(ま)火力発電所(総出力165万キロワット)は全3基にボイラーの配管やタービンに異常があり、復旧には少なくとも1週間程度かかる見通しだ。 (森田晶宏)
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