世耕弘成経済産業相は6日、経産省で記者団の取材に応じ、北海道地震の影響による道内全域の一時停電について「北海道全域が完全に復旧するには1週間以上かかる見通しだ」と語った。経産省担当幹部は「平成に入ってから一番大きい停電になった」と指摘。東北電力などに支援を要請し、電力不足への対応も検討する。
製鋼工場で火災、製油所も停止=製造業にも大きな影響-北海道地震
地震では、震源地近くに立地する北海道電力最大の苫東厚真火力発電所3基(北海道厚真町、合計出力165万キロワット)が稼働停止となった。この結果、安定送電に必要な需給バランスが崩れ、北海道電は一時、道内全域の火力発電停止に追い込まれた。経産相は苫東厚真火力について、配管やタービンが損傷したことから「復旧には少なくとも1週間かかる見通しとなった」と説明した。
北海道電は6日、地震のため停止していた砂川火力発電所(北海道砂川市)が午後1時半すぎに再稼働したと明らかにした。同社は他の火力、水力発電の再稼働を急ぐほか、本州の大手電力から電力融通を受け、7日中に約290万キロワットの供給力確保を目指す。ただ、経産相は、5日時点の道内全域のピーク電力需要(380万キロワット)に足りないと指摘し、一部地域の停電が長引く可能性を示した。
経産省は、病院など重要施設に電源車を派遣して電力を供給するよう北海道電に指示するとともに、業界団体の電気事業連合会に北海道電への支援を要請。東北電力と東京電力ホールディングス、北陸電力は電源車の派遣を決めた。(2018/09/06-16:28)
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