東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=111円台前半で推移。前日の米金利上昇を受けてドル買いが先行したが、その後は米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えて上値の重い展開となっている。
ドル・円は25日午後0時36分現在、前日比ほぼ変わらずの111円07銭。午前10時前に111円34銭まで上昇した後、米金利の伸び悩みや日本株が下落に転じたことから、111円02銭まで値を切り下げた。前日の東京市場では前週末からのドル安の流れが続いて約1カ月ぶりに111円台を割り込み、欧州市場にかけて一時110円62銭と6月15日以来の水準までドル安・円高が進んでいた。
みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、先週からのドル売りが一巡し、週後半のFOMCや米国内総生産(GDP)の内容次第で110円割れか112円超えを目指すと思われる中で、ドル・円は「もみ合いで動きづらい」と指摘。FOMCについては「基本的にはスタンスは大きく変えないとみており、インフレは一時的との見方を変えないと思うが、もしかするとというところがある」と話す。
FOMCは25日から2日間の日程で開催される。金融政策は現状維持の見通し。前回6月会合ではインフレ鈍化は一時的との判断の下、追加利上げを決め、バランスシート縮小計画の詳細を示した。ブルームバーグが今月実施したエコノミスト調査によれば、米金融当局は9月にバランスシート縮小時期を公表、追加利上げは12月に先送りするとの見方が大勢を占めている。
三井住友銀行市場営業部NYトレーディンググループの青木幹典グループ長(ニューヨーク在勤)は、今回のFOMCは無風で終わるとみているが、仮にインフレに関する文言がハト派化すればドル売りがさらに進む可能性があると予想。「今は9月のバランスシート縮小発表がコンセンサスだが、それさえも声明の文言でにおわせなかった場合はドルはさらに重くなる」とみている。
一方、この日は米国で7月の消費者信頼感指数や5月の住宅関連指標が発表される。上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人ストラテジストはリポートで、米政治リスクへの警戒感からドル・円の戻りは鈍く、前月からの低下が見込まれている消費者信頼感指数の結果によっては「ドルの下押し圧力がさらに強まる危険はある」と指摘した。
トランプ米大統領の娘婿であるクシュナー上級顧問は24日、2016年の大統領選に絡みロシア当局者と不適切な接触は持たなかったと説明した。クシュナー氏は同日、大統領選へのロシア関与について調査する上院情報特別委員会から2時間半に及ぶ聴取を受けた。
前日の米国債市場では10年債利回りが2bp高い2.26%に上昇。一方、アジア時間25日の時間外取引では2.25%を割り込んでいる。同日午前の東京株式相場は3日続落。
ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ユーロ=1.1653ドル。前日の東京市場で1.1684ドルと15年8月以来のユーロ高・ドル安水準を付けた後、海外時間には1.16ドル台前半に下落した。
みずほ証の鈴木氏は、ユーロ・ドルは15年8月高値(1.1714ドル)を抜けると大幅な上昇に結びつく可能性もあり、目先は投機筋から狙う動きが入りやすいと予想。その上で、先週の欧州中央銀行(ECB)の政策委員会を通過し、「ユーロ圏の材料は出たので、あとはドルサイドが買われるか売られるかに振り回される」展開になるとみている。
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