2017年7月27日木曜日

米政権の反発必至、日本に圧力も 牛肉緊急輸入制限、FTA交渉迫られる恐れ

 米国産牛肉に対する緊急輸入制限(セーフガード)が発動されれば、トランプ米政権の反発は必至だ。10月にも開かれる日米経済対話などで、日本の牛肉市場の開放を狙って自由貿易協定(FTA)の交渉開始に向けた圧力を強める恐れがあり、通商摩擦に発展する懸念が出てきた。

 農林水産省幹部はセーフガードを「米国がFTA交渉入りを迫る口実にするかもしれない」と懸念する。

 ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、米国の貿易赤字削減のため「日本は牛肉などの通商交渉で一方的に譲歩すべきだ」と主張する。競合するオーストラリア産に対し日本が経済連携協定(EPA)に基づき38.5%の牛肉関税を段階的に下げている危機感が背景にあり、FTA交渉を通じ米国産も大幅な関税削減を実現したい構え。

 ただ、米国離脱で宙に浮いた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が発効すれば、牛肉関税は日豪EPAを大幅に超える9%まで下がり、セーフガードが発動しても税率は50%ではなく38.5%になる。

 政府内では「嫌ならTPPに戻ればいい」(経済官庁幹部)との指摘もあり、今回のセーフガードが逆に米国復帰の説得材料になる可能性もありそうだ。(田辺裕晶)

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