米連邦公開市場委員会(FOMC)は25、26両日の定例会合後の声明で、4兆5000億ドル規模の保有証券の縮小を 「比較的早期に」開始するとの方針を示した。フェデラルファンド (FF)金利誘導目標については1-1.25%のレンジで据え置いた。
これについての市場関係者の見方は以下の通り。
◎FOMCは最低限の行動取った、バランスシート縮小は9月に-FTN
FOMC声明はインフレ率の落ち込みと最近の経済指標の動向を認め、「その他にはほとんど言及していない」一方、バランスシート縮小の発表時期は9月会合の可能性が最も高いことを示唆したと、FTNファイナンシャルのエコノミスト、クリス・ロー氏がリポートで指摘した。
FOMCは「声明文に微調整」を加えたが、全く大したことではない。
FOMCは個人消費のペースが加速しているとはもはやみていない。
FOMCは9月会合後すぐにバランスシート縮小を開始するべきだ。FOMCスタッフが最近のインフレ率低下について懸念に値するかどうか判断する12月まで、次回利上げは恐らく検討されないだろう。
参加者らは「自身のインフレ見通しを現時点で再考する必要があるとは明らかに考えていない」。
◎FOMC声明、総じて予想通り-ブラックロックのローゼンバーグ氏
インフレが目標値の2%を下回っている度合いについて、今回の声明から「やや」という表現が取り除かれたことが重要であり、インフレ指標が見直されたことを示唆すると、ブラックロックのストラテジスト、ジェフ・ローゼンバーグ氏がブルームバーグテレビジョンとのインタビューで述べた。
声明はFOMCがバランスシート正常化に向かっていることを裏付けている一方で、「一時的な要因がインフレを押し下げているとの筋書き」に変わりはない。
12月に利上げが可能かどうかに焦点が移っている。
◎FOMCは9月にバランスシート縮小発表、年内利上げ見送り-SMR
FOMCは4兆5000億ドルのバランスシートの縮小を10月に開始することを9月に発表する準備を行った。ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツ(SMR)のストラテジスト、テリー・シーハン氏がリポートで指摘した。
インフレに関する文言変更は「インフレの持続的アンダーシュートに懸念を強めていることの表れ」。
バランスシート政策の変更は「債務上限の引き上げが近く行われることはなく、米国のソブリン債のデフォルトリスクがあるとみられる場合には、先送りされる可能性」。
最近の低インフレを理由に、2017年中の追加利上げはないと予想。
◎FOMCは「比較的」という言葉で政策に「余裕」-ジェフリーズ
7月のFOMC声明は金利とバランスシートの正常化を引き続き取り上げたが、インフレの最近の減速については「理解し難い頭痛の種」から、利上げと資産縮小の両方を延期し得る展開との位置付けに引き上げた。ジェフリーズのエコノミスト、ウォード・マッカーシー、トーマス・サイモンズ両氏がリポートで指摘した。
「比較的」という言葉が政策当局に多少の余裕を持たせており、労働市場やインフレ指標の展開や、債務上限を巡る危機発生の場合にはFOMCは9月に二の足を踏むだろう。
この言葉はまた、FOMCが早ければ9月にバランスシートの正常化について正式発表する可能性も意味し得る。
0 件のコメント:
コメントを投稿