2017年9月29日金曜日

国内シェア拡大、海外も…スシロー・元気統合へ

記者会見で記念撮影に臨む、(左から)元気寿司の法師人尚史社長、神明の藤尾益雄社長、スシローグローバルホールディングスの水留浩一社長=東京都千代田区で2017年9月29日、宮武祐希撮影

 回転ずし最大手のスシローグローバルホールディングス(GH)は29日、業界5位の元気寿司との経営統合に向けて協議を始めると発表した。東京都内で記者会見したスシローGHの水留浩一社長は「スシローは西日本、元気寿司は東日本に強い。(統合で)国内店舗数を伸ばし、海外展開でも元気寿司のノウハウが助けになる」と意義を強調した。国内回転ずし市場のシェア拡大に加え、海外でも活路を見いだす狙いだ。

 元気寿司の親会社でコメ卸最大手の神明(神戸市)がスシローGHの発行済み株式の32.72%を英投資ファンドから取得し、経営統合に向けた検討を進める。神明の藤尾益雄社長は会見で「国内外の米の消費拡大につなげていきたい」と説明。元気寿司の法師人(ほうしと)尚史社長は「元気寿司は業界でも最も古株だが競争激化で苦しい状況にあり、独自色を持とうと回転レーンを持たない回転ずし店を展開、海外でも注目された」と独自戦略を強調。スシローGHに海外展開のノウハウを提供することで強みを生かせるとした。

 国内外食産業は、人口減少や消費者の節約志向に加え、材料費や人件費の高騰で苦戦が続いている。その中でも回転ずしは低価格を武器にファミリー層を取り込んでおり、例外的な成長分野だ。市場規模は2016年に前年比4.8%増の6055億円に達した。スシローGHはすでに業界首位だが、海外進出を重視した形。水留社長は会見で「(海外出店は)アジアから展開していきたい」と意欲を見せた。

 富士経済の上田周作東京マーケティング本部主査は「国内の成長分野であっても人口減少でいずれ限界がくるので海外進出せざるをえない」と指摘。「回転ずし業界は材料原価が高く利益率が低いため、都市部への出店や酒類の扱いを増やし、客単価を上げて収益構造を変えることも生き残りには必要」と話した。【今村茜】

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